■ らんだむダンジョン
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作者 [ はむすた さま ] ジャンル [ ダンジョン探索RPG ] 容量・圧縮形式 [ 125MB・ZIP ] 製作ツール [ RPGツクールVX ] 必須ソフト [ RPGツクールVX RTP ] ダウンロード ![]()
- (補足)
- 【注意】:このレビューには、「らんだむダンジョン」に登場するアイテム名などについて、若干のネタバレがございます。
- 参照リンク:らんだむダンジョン-まとめwiki
- 2012.10.19:現時点での最新バージョンは、Ver1.70です。
- 2023.06.28:リンク先をVectorに変更。
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レビュワー ハマリ度 グラフィック サウンド 合計 総合判定 ES 10/10 9 /10 8 /10 110/120 ![]()
赤松弥太郎 9 /10 10/10 7 /10 REN(イラスト) 10/10 10/10 10/10 777 10/10 9 /10 8 /10
《 ES 》 ハマリ度:10 グラフィック:9 サウンド:8
今回お送りする「らんだむダンジョン」は、ぶっちゃけ、本格とは程遠いRPGです。
操作キャラは全員ギャルですし、登場人物全体で考えても、名前のあるキャラは女性の方が多いくらいです。
途中で挟まるイベントにしても、「オヤツを分捕るために道具屋とガチバトル」とか、「温泉掘ってムフフ計画(発案者:妖精・♀)」など、RPGらしい「愛と平和」とか「世界を賭けた戦い」などと言うシリアス要素は(直接的には)1ドットたりとも出てきません。
何より、アイテム名などに込められたパロディ要素は数知れません。「ノコノコの甲羅」とか「シモンの鎖鞭」なんて有名作からのパロディが、ピー音無しで出てくる始末です。アン・パンチなんてアイテム、このゲーム以外なら、某匿名掲示板か某コメント式動画サイトのクローンRPGでしかお目にかかれないでしょう。
そんな、色々な意味で心配になる当「らんだむダンジョン」ですが、多数のファンを持ち、フリーゲーム界隈でも「傑作」と称される作品であることもまた事実です。実際、私がプレイしても恐ろしいほどの中毒性が感じられます。
ストーリー以外の要素を取ってみれば、本作は結構難易度の高い作品です。最弱ザコであっても、ノーダメージで切り抜けることはできませんし、こちらのレベルが上がるたびに強化されるため、レベル上げで難易度を下げる選択肢も無効です。
賞金首にしても、対策を間違えれば、例え推奨レベルを超していたとしてもボロボロにやられてしまうでしょう。
このゲームで最も中心におくべき行動は、ウリでもある「アイテムコレクト」に尽きます。敵アイコンから逃げ回りつつ、アイテム集めに精を出す方が、かえって展開が楽になります。
上記の通り、多少のレベル差は、一つの属性対策・一つの状態異常対策で、大きくひっくり返ります。むしろ、対ボスキャラ戦では、こういった対策を立てなければ、いくらレベルを上げても勝てません。
そんな難易度の高い本作ですが、全滅時の復帰のしやすさ(デスペナルティ無しで帰還できる)や、アイテム取得時にメッセージで止められることがない点、決定キー押しっぱなしで高速化できる戦闘など、テンポ面についても非常に考えられています。
アイテムコレクトだけでも、従来の宝箱・ショップ・戦闘の他に、栽培・くじ引き・NPCとの交流イベント(襲撃含む)など多数の道がある「らんだむダンジョン」、そう言った多大な要素を、テンポよく楽しめるという点が、本作を「傑作」としている点だと、私は考えます。
昨今のコンシューマRPGでは、序盤の伏線が十数時間後にやっと回収されるような長大で複雑なストーリーで、プレイヤーを引っ張る手法が多いです。個人製作では、そんな中で真っ向勝負を掛けるのは厳しいですし、下手に真似すれば「どっかで見たような感」をプレイヤーに与えて、ゴミ箱行きになってしまいます。
その点、「らんだむダンジョン」では、アイテム・LVなどの条件によって発生するコント・名称から説明文(著:主人公)まで、ネタがギッシリ詰まったアイテム群・「推奨LV」というチャレンジ要素を加味したボス戦など、時間の掛からない要素でプレイヤーを引っ張る手法を取っています。
「マップは数種類に固定され、階層やLVに応じて宝箱が増える程度」と言う「おっさん or die」方式…全然「らんだむ」じゃないマップ構成でも、十分に「らんだむ」感…進めるたびに続々と新しい発見が味わえる理由は、こういった小粒なアトラクション要素を惜しげもなく注ぎ込んだ、作者・はむすた 氏のツクール魂に他なりません。
「らんだむダンジョン」は、未だ開発途上にあり、作者本人からも「まだまだイベントを追加する予定」と言う弁があるほどです。
果たして、このレビューの後、「らんだむダンジョン」はどのように変わるのでしょうか。以前にレビューしたアレとかソレとかのように、全くの別ゲームとなる場合さえ考えられます。その点も含めて、楽しみにできる作品でもありますね。
《 赤松弥太郎 》 ハマリ度:9 グラフィック:10 サウンド:7
この洞窟のどこかにある 俺たちだけのprecious
どうも。気がつけば、プレイ時間65時間、アイテムコンプ率98%までやり込んでいた赤松です。
いやあ、楽しませてもらいました。
作者さんの話によると、本作はローグライクを強く意識しているとのこと。
生憎そちら方面に疎い私は、「宝探し系RPG」の系譜を連想していました。禁術 - ネフェ - イスト - まももと続く、あの血脈です。
しかし、少し比較してみれば、本作がこの両者とは似て非なるものであることは明らかです。
と言うより、両者がメインとして提供している楽しみを、あえて捨て去っているようにさえ見えるのです。
本作のダンジョンは、ローグライクのように完全にランダムではありません。数種類のフロアがランダムで出てくるだけです。
また「宝探し系RPG」のような複雑な隠し通路もありません。攻略経路も1本道、ダンジョンも原則1つだけです。
パターンが少ないので、2-3回同じフロアを攻略すれば、宝箱と敵の位置は完全に把握できてしまいます。
手軽に効率的に攻略できるシステムであると同時に、ともすると単調で、飽きにもつながりかねません。
それでも本作は、多くの人に愛されています。
本作の本質は、両ジャンルがあえて捨ててきた、キャラクター性にこそあるからです。
実のところ、本作はストーリーで牽引するRPGだったのです。そりゃあ、私はまもものレビューであえてストーリーのことに触れたりもしましたけどね、
例えばNepheshelの3女神への萌えと、本作の3人娘への愛は、もうゼンゼン性質がちがうものじゃありませんか。
見慣れないアイテムを拾ったとき、「アナンタはどんな解説を付けてくれるんだろう」と[A]キーを押す、
村に帰ってきて、「また新しいイベントに出会えないかな」と宿屋に泊まる、
あのトキメキは恋と名付けたって構わないでしょ、ねえ。
では、紹介しましょう。
寂れた寒村、だんじょん村。
かつて魔王がいた時代、トレーニングの場として、この村は多くの冒険者で賑わったという。
そして今、村の惨状を立て直すべく、3人の少女が立ち上がった。
探求欲をもてあます、穴があったら入りたい年頃のなかよし3人組がダンジョンを征く !
人は呼ぶ、彼女たちを「だんじょん村のかしまし娘」と……!
◆アンクラッシャブル・ボディ アナンタ!
まずは押しも押されもせぬ主人公、アナンタの登場だ !
良く言えば脳筋、悪く言えば体力バカ、ちっとも良く言ってない気がするけどなあにそれは愛情ですよ !
みんなが愛しすぎちゃうあまり、シズナはいじるし、ベネットはからかうし……「みんなの友情が感じられない」とお悩みの我らのリーダーさん。
でも、やっぱりみんないぢめちゃう。だって楽し……げふん、それだけ愛されてるってことですよ。
アナンタは、きっとまだ気づいてないんです。
彼女が力ずくで岸壁を打ち砕き、モンスターを薙ぎ払い、血路を開くその後ろ姿が、
「こいつなら、きっとなんとかしてくれる」って安心感につながっていることに。
深いことは考えず、ただ困っている人を見ると助けずにはいられない、
その純粋すぎるまでの優しさが人を動かしているってことに。
シズナの方がずっと頭が良くても、パーティを実質まとめてるのがベネットであっても、
アナンタがいなければ、このパーティは決して前には進めません。
竹を割ったような潔さ ! 強きをくじき弱きを助けるその紳士道 !
まさに「気はやさしくて力持ち」の代表格、熱血漢の鑑 ! ……乙女に使う形容詞じゃない ? 気にしない気にしない。
プレイヤーとしても一番頼れる、そして親しみを覚えるキャラクターに違いありません。
彼女の新鮮な驚きと発見に満ちたアイテム解説文は、パーティ一行だけでなく、私たちの旅の疲れをすっかり癒してくれます。
◆オトボケ・ハート シズナ!
続いてはみんなの救急箱、シズナ !
鍛えると最上位の回復魔法まで使えるようになるばかりか、最上位の攻撃魔法まで習得してしまう、超天才的僧侶です。
なので、たぶん頭が良いのは間違いないと思われます。
頭は悪くないんですよ、たぶん。ただちょっと、天然ボケが過ぎるだけで。
イベントでおいおい、少し離れた街の生まれだったとか、昔は友だちがいなかっただとか、過去の話が明らかになります。
意外とシリアスな話なんですが、そんな影をまるで見せない明るい彼女。
……っつーか、全然ナットクいかないですよカテジナさん !
非力なのかと思ったら、アナンタ専用としか思えないバカでかい鈍器ぶん回してるじゃないっすか !
反射神経鈍いのかと思ったら、ロケットブーツ履いて平然と戦ってるじゃないっすか !
まったく、底知れない女ですよシズナさんは。
のほほんとしてるようで結構芯の強いところがあって、なんだかんだで自分の思うようにことを進めちゃうタイプですね。
◆フェイタル・テクニック ベネット!
最後はハードボイルドな処刑執行人、ベネット !
戦闘コマンドはかなりクセの強いものが揃っていて、最初はなかなか使いこなせないかもしれませんね。
しかしストーリーの上では、放っておくとどこまでも暴走し続けるパーティーの最後のストッパーとして、最初から活躍します。
ただ……「パーティーの良心」とは口が裂けても言えないんだよなあ……。
彼女は「あくどい」と言うより「世知辛い」のです。
早くから自分で生計を立てているベネットですから、世間知らずな他の2人、特に究極の楽天家アナンタと比べると、どうしても世知辛くなっちゃう部分はあるのでしょう。
だけど、だからと言って「汚れ仕事は全部自分が引き受けてやろう」みたいに気負っちゃうところが、彼女の脆さであり、そして私が彼女を好きになったポイントでもあるんですよね。
そんな不器用な優しさでも、他の2人はちゃんとわかってて、だから3人は対等な友だち付き合いができてる。
いい話じゃありませんか。
そんな3人の関係が凝縮されてるのが、↑の4人目加入イベントです。
3人3様の考え方や立場の違い、そして互いを思いやり理解する心が、最後には1人の少女を救う、そんな物語です。
……平たく1行で書いちゃうと、なんともありきたりの筋書きのようにしか見えませんが、私はあえてこれ以上は書きません。
この3人だからこそ紡がれたこの物語は、間違いなく本作最大の山場でしょう。
その他、サブクエストに登場する皆さんも紹介したかったのですが……残念ながら時間切れみたいです。
このサブクエストの登場人物もみな、それぞれワケありの宿命を抱えてたりするんですが(ええっ !? あのキャラもかい ? )、
それは一体何なのか、3人がどうやって解決するのか……それは、見てのお楽しみ。
他にもアイマンさんとか女神様とか紹介したいキャラはいっぱいいるわけですが……
ええい、お前ら ! 全員愛してる ! 評点 !
- ハマリ度 : 9 / 10
- 「手軽さ」を重視しつつも、作り込むべきところは徹底的に作り込んでおり好感触。ランダム性の強いシステムでありながら、運が悪くても無理を感じさせない難度設定はさすがと言える。
主な不満点は、以下の2点。
- 中盤以降、ザコ戦闘が作業化してしまっている。特に終盤で某軍配を手に入れて以降は、完全に軍配ゲーと化してしまう。
HP/MP自動回復があるせいで、まったくリソース管理をしなくても進めてしまうのが問題のように思う。- ラスボス前の盛り上がりがいかにもとってつけた感がある。4人目加入の一連のイベントと比べると、どうしても見劣りしてしまう。
こまめに公開を繰り返していたため、仕方のない部分はあると思うが、やはりエンディングにむけての一連の流れは、それまでのイベントを集大成する内容であってほしかった。- グラフィック : 10 / 10
- ツクールVXのRTPとその改変素材をメインに据え、その魅力を100%以上活かしきっている。
汎用的かつ高水準な素材を提供しているツクールVXのグラフィッカーのみなさん、そして素材絵師の方々に改めて敬意を払うと共に、本作が「素材メインでもこれだけ魅力的な世界を描ける」作品として長く記憶されることを願う。そう、かつての盗人講座のように。
(実は、ごく一部描き下ろしグラフィックがあるんですがね)- サウンド : 7 / 10
- バリエーションに富んだ素材を駆使しており、ここでもチョイスセンスの良さを感じさせる。
しかし、音量調整が不十分なのでそこは厳しく減点。曲によっては耳が痛くなるレベルで、その度にボリュームをいじることになる。
長時間プレイすることになる本作の場合、少しのストレスでも何倍にも増幅して感じられてしまう。大変もったいないところ。硬派なローグライクを想像して本作をプレイすると、ひょっとすると期待を裏切られるかもしれません。
気軽にストーリーを楽しむヤリコミ系という意味では、むしろ晴れ曇シリーズに近い感覚があるかもしれませんね。
《 REN 》 ハマリ度:10 グラフィック:10 サウンド:10
しゃべり方が素敵なベネっち
いわくつきの装備品はだいたい彼女専用
あきらかにただごとじゃない
宇宙一の寂しがりなアナたんをリーダーたらしめているのは
司書顔負けの膨大なアイテム解説文に他ならない
それでも脳筋なイメージが拭えないのは何故かな
ああマッチョパワーだからか
ジュウマ-ンバリキ-ダ-
ロケッタブルシズ-ナ-
《 777 》 ハマリ度:10 グラフィック:9 サウンド:8
575の喜び♪575の夢♪(某携帯獣より)
開始早々、OPやキャラ紹介もなしに投げ出されますがそんなのは些細なこと。
すぐにこの「らんだむダンジョン」の魅力に気づくはずです。
さて、らんだむダンジョンの魅力と言えばやはり豊富なアイテムでしょう。
安心して使えそうな物からネタ満載のモノまで…。その数実に575!
これから紹介する物も氷山の一角でしかありません。
- 1.特に突っ込み所のないまともなアイテム
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- 2.詳細説明が何かおかしいアイテム
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- 3.何から何までネタなアイテム(性能までネタじゃないよ)
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- 4.明らかに別世界のアイテム
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そして極めつけは…
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…もはや語ることはあるまい。
そして、このような数々のアイテムを駆使して数々の強敵を撃破するのも醍醐味の一つと言えよう。
とりあえず語っておきたいのはこんなところだろうか。
さてと…またダンジョンに潜ってくるか…。