■ レミュオールの錬金術師
作者 [ 犬と猫 さま ] ジャンル [ 経営シミュレーション ] 容量・圧縮形式 [ 2.98MB・ZIP ] 製作ツール [ NScripter ] 必須ソフト [ DirectX (8.0a以降) ] 言語 [ 日本語 ] 配布元
※画面写真提供:ES様
- (補足)
- 2006.12.17:作者様HPへのリンクを変更。
レビュワー ハマリ度 グラフィック サウンド 合計 総合判定 びるま 10/10 8 /10 8 /10 84/90 ES 10/10 10/10 8 /10 クレビア 10/10 10/10 10/10
《 びるま 》 ハマリ度:10 グラフィック:8 サウンド:8
「錬金術師、小麦粉からパンを作る」の巻
- ハマリ度:10/10
- やりこみ度の高さとテンポのよさが特長。多少操作性に不満が残るが、時間を忘れてプレイできる。
- グラフィック:9/10
- 一枚絵のグラフィックは高いレベルでまとまっており、まったく文句の無い出来。全体で見ると、動きが無いのが多少寂しい。
- サウンド:9/10
- 目立ちすぎず、乖離もせず、ゲームをひきたて足元から支えるサウンド。ある意味ゲームミュージックの一つの理想形。
▼解説
いわゆるアトリエ系経営シミュレーションである。
フリーゲームとしては破格の完成度を誇り、万人に薦められる作品になっている。とはいっても、この文章を見ている方の中にも「シミュレーションは複雑だし、難しそうだから」と敬遠している人がおられるであろう。
実際、この手のゲームは「やるべきことがたくさんありすぎて、初心者は何をしていいのやらまったく分からず途中で投げ出してしまう」といったことが往々にしてある。
が、このゲームに関して言えば、システム等がゲーム内できちんと説明されており、初プレイでもそうそう迷うことはないつくりになっている。やりこみ度の高さが最大の魅力だが、オートモードやカーソル誘導などの親切設計も見逃せない。
ただ、操作系統で分かりにくいところがあり、操作ミスを起こしやすいのが残念である。「むやみやたらに新しいシステムを積み込み、結果無駄に複雑化してゆく」といったことがよくある中、
結局「既存の枠内で最大限に面白さを追求したゲームシステム」が最も多くのプレイヤーに支持される、ということを気付かせてくれるゲームである。プレイ感覚、プレイスタイルに関しては、同じくフリーゲームのアンディー・メンテ作品に共通する部分を多く持つため、
やりこみ系のアンディー・メンテ作品が好きな人間は間違いなくハマれるだろう。
《 ES 》 ハマリ度:10 グラフィック:10 サウンド:8
商売って、面白い!!
- ハマリ度:10/10
- 短い時間と単純な作業で、老若男女誰でもプレイできる。その中で様々な工夫を凝らした商売戦略も可能である。
しかし、私は「水色の塔」(※1)の方にハマってしまったのは内緒だ!!- グラフィック:10/10
- 人物・背景・インターフェースの全てにおいて、丁寧で上質なな仕事を行っている。
絵描きでない私が色々と言うのは、野暮と言うものであろう。- サウンド:8/10
- メイン画面のBGMだけで7曲もあり、好きなときに替えることができる。
そのどれもが楽しい曲ばかりで、単調になりがちなプレイをノリノリにしてくれる。私ことESは、経営シミュレーションが苦手です。
金勘定と言うものは、相場・世論・流行など様々なことを考えねばなりません。たかがゲーム(失礼)でそんな細かいことまでいちいち考慮することは自分には合わない、そう考えていました。
このゲームも、「評判良いみたいだけど、楽しめなかったらどうしよう。」という一抹の不安を持ちつつプレイを始めました。…ええと、まずは小麦粉や米は基本だな…
…おっ!?小麦粉からパンが。おにぎりって結構売れ行き良いな…。
…土なんて売れるのかと思っていたけど、焼き物にするとかなり化けるな…。
…やばい。すっかりハマってる…。このゲームは、商売以外でも楽しめるものでした。最初はお客の寄りも悪く、儲けの少ない展開にいらつくかもしれません。
しかし、一旦200品以上売り上げ、加工を始めると、このゲームは真の面白さを見せます。
小麦粉からパンが、お米からおにぎりが、りんごからジャムが…と言ったように、商品に新たな展開が生まれます。
私はこれが楽しくて、つい商売交渉するための体力まで使ってしまいます。単純な造りで遊びやすいこのゲームですが、それでも商売の厳しさはダイレクトに感じられます。
新聞紙・おにぎり・パン・牛乳といったキ○スク路線から、名産品(石)を取り混ぜた土産物屋路線に転向したら、いきなり売り上げがガタ落ちしたこともありました。
相場が安い上に、加工ができない商品は、即効で見切りをつけた方が良いかもしれません。
逆に、あまり売れ行きのよくない商品でも、加工が行えるものは、根気よく売り続けるのも手です。
普段は売れない銅や鉄などの鉱石類も、加工すれば、人気の高く、売れ残っても使用することで「ギルドポイント」がたまるお役立ち商品となるからです。このゲームは、一つの目的を達成するたびに新たな目標が生まれてくるゲームです。
新たな商品を搬入すれば、加工後の姿が見たくなり、加工して儲かったら、シオやフィルを使って新規商品の開拓に乗り出し、そこからまた新たな商品を開発する…。
軌道に乗れば、本当に飽きないゲームです。
おかけで、レビューを書くのがこんなに遅れました。(2005. 3/4 著)
<ES的蛇足>
- (※1)水色の塔
- 「レミュオールの錬金術師」の前作に当たる「晴れたり曇ったり」シリーズ第一作。
新米冒険家シオが、レミュオール郊外にそびえる「水色の塔」を攻略するアドベンチャーRPG。
この時点で「はれくも」シリーズのメインキャラはほとんど登場している。 もちろんルヴェル君の虐げられっぷりはこの時点で健在である。- (※2)ツッコミどころ
- …といっても、別に悪いところをあげつらうわけではありません。
このゲームは、時折、突発的にイベントが起こります。その会話は、グッド、バッドに関わらずとても楽しく、単調になりがちなゲームシーンのいいアクセントとなってくれます。
もちろん、ここでもルヴェル君は徹底的に虐げられています。
他にも、売り物の薬草を勝手につまみ食いしたり、自家製おにぎりを他所から取り寄せるといった産地偽造も行ったりできますが、全ては
ティコ姐さんじゃあ、仕方ないな( ´∀`)ということで。
《 クレビア 》 ハマリ度:10 グラフィック:10 サウンド:10
- ハマリ度10/10
- 恐らくフリーゲーム史上最強の中毒性を誇るシミュレーションゲーム。夜中まで延々プレイさせて頂きました。
- グラフィック10/10
- キャラがかわいい!特に子供が。しかし私はフィルが男の子だと知ったとき愕然としました。個人的には大問題です。
主要キャラに比べてお客さん(その他大勢)の絵が多少汚いように感じるかもしれませんが、それでも十分なレベルです。- サウンド10/10
- プレイ中のBGMは七曲の中から変更可能、主人公にボイスあり(しかもなかなか上手)とフリーゲームの常識からかなり外れた水準。効果音もソフトな感じで好感が持てます。文句なしです。
基本は「商品を仕入れて売る」の繰り返しですが、商品を加工したり、冒険者にアイテムを調達してきてもらったり、倉庫を拡張したり色々とできることは多いですよ。
登場する商品は二百種類以上。バランスをぶちこわすくらい強力なものから使い方が全くわからないものまで。多種多様。
たくさん売って自動仕入れができるようになるとかなり快適にゲームが進みます。品切れになったらゲームがストップしたり、お客さんが来たらカーソルが移動するなど(重要)、足回りが親切なところもかなり良いです。
一応クリアという目標はありますが、そんなものはこのゲームでは大して重要ではありません。満足のいくまで売って売って売りまくりましょう。
難易度は意外と低いです。適当に仕入れて、適当に売って、適当に掃除していれば最初の目標である借金10万には楽々到達します。しかしやり込もうとすると加工をうまく使っていかなければなりません。あまり売れない商品をいかに売るかを考えるのは結構楽しいです。
蛇足
とりあえずキャラがかわいすぎです。特にシオとフィルが。二人のラブコメを希望します。もしくは二人を主人公にしたRPGを作ってください。お願いします。
編集後記