■ 投稿レビュー アドベンチャー 22 | ||||
憧恋 | Slender: The Eight Pages | Kinoko3 (2) | 拡散『希望』 | TR∀P DEAD |
廃病院とガスマスク | 非現実都市 | なりそこないスノーホワイト | ジュウマネー | NOeSIS02-羽化- |
レビュワー [ DECOすけ野郎 ] ジャンル [ 百合サスペンス ] 作者 [ 神波裕太(たぶんおそらくきっと) さま ] 容量・圧縮形式 [ 30.5MB・ZIP ] 製作ツール [ NScripter ] 言語 [ 日本語 ] 配布元 これは恋なのか 憧れなのか それとも・・・
と、いうわけで久々のアレです。
アレが何かって・・・アレですよアレ。ハートフルストーリー。お話はというと、主人公アキナは、ある日後輩に告白されるわけですね。
下級生のカホは、どうやら、ずっと慕っていたらそうです。
そういうわけで、彼女と彼女の微妙な関係が続くのですが、次第にアキナの周辺でどんどん異変が起こっていき、そして・・・。ノーマルエンドはハートフル(本来の意味で)、トゥルーエンドは泣かせるガールズ・ラブストーリーです。
このゲームは、まずは必ずノーマルエンドを見ることとなります。
トゥルーエンドを見るためには、すべてのエンド(バッド、ノーマル)を狙って見ないといけないからです。
選択肢では「カホを疑うか」「疑わないか」をメインに分岐をしていき、エンディングの条件が変わっていくとかそういう感じです。ノーマルでは、そのハートフル度に驚いたものの
「思ったよりも、血は出ていないよな・・・」と思って読んでいたわけなんですが、
そのかわりバッドエンドはそれ以上に突き刺さる内容ですねー。
それを見た上で見るトゥルーエンドがまたいいんですよねー。たぶんおそらくきっとの今までの作品は基本的に猟奇!残虐!人間の本性!とか
そういうものがメインだったのですが、このゲームはそういう成分が薄めなので苦手な方にはおすすめできる内容となっています。
多分。
管理人コメント日が終わるときのモノローグや、アキナの観測範囲内で、徐々にその異常性を露にしていくヒロイン・カホ。プレイヤーはそんなカホを「疑うか」「信じるか」を選択し、アキナの運命を決めていきます。
終盤に近づくにつれ、アキナの精神も限界に近づき、ついにはカホの殺害まで考えるようになります。そんな状態でもカホを「信じる」か、そんな状態だからこそカホにギルティを突きつけるか…プレイヤーの判断がHeartfulとHurtfulを分ける、責任重大なストーリーになっています。
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レビュワー [ 阿賀栗 ] ジャンル [ ホラー ] 作者 [ Mark J. Hadley さま ] 容量・圧縮形式 [ 62.7 MB・ZIP ] 言語 [ 英語 ] 備考 [ ベータ版 ( MAC版もあり ) ] 配布元 どこまでも、追ってくる
海外の都市伝説には「Slender man (のっぽな男)」というものがあります。
それは、背が異常に高くガリガリで、関わった者は不調をきたし、じかに見ると死んでしまうそうです。
このゲームはFPS風のホラーゲームで、夜の森の中でスレンダーマンを見ないようにしつつ、メモを集めることが目的です。
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なかまになりたそうにこちらをみている!彼から逃げながら、八枚のメモを集めましょう。
メモは基本的に建物や人工物のどこかにあり、道なりに進めば迷うことはないでしょう
しかし、道を順番に進めるのは序盤ぐらいなもので、メモを集めるごとにスレンダーマンの追跡は厳しくなり、五枚目以降は、本気で殺しにかかってきます。
面白いことに、彼は見られている間は動かないので、わざと見ながら進むのも一つの手です。まぁ、見続けると死にますが。
まっすぐ進むだけが正解というわけではないので、ときには森の中に突っ込んで、彼を撒きましょう。なお、初見でのクリアは相当難しいので、マップの把握を最優先にしましょう。
- ゲーム性について
- 走ると息切れをする、ライトの光が弱まっていく、ということがいい緊張感を醸しており、どう対処するかという戦略を求められる。
また、上にも述べた通り初見でのクリアはほぼ不可能。セーブ機能もないので、何度も死んで攻略していくいわゆる"死にゲー"に分類されるだろう。
しかし、それゆえ八枚集めたときのカタルシスは言うべくもない。- グラフィックについて
- とくに目立った粗はなく、普通にプレイできるレベル。ただ、全体的に暗いのでディスプレイの設定によっては全く見えなくなる部分もある。
- サウンドについて
- 状況に応じて変化していくBGM、敵が視界に入ったときの音など、種類は少ないながら効果的に使われている。
以下、攻略的メモ
[ 音楽が鳴るまでは、スレンダーマンは登場しない ] [ スレンダーマンは主人公の視界の外にワープするので、追跡の厳しくなる後半はなるべく視界を遮るもの(木など)が前にないようにする ] [ 道の上の空は開けているので、上を見ながらであればライトを使わなくても道なりに行くことは可能 ] [ トンネルとタンカーは、どちらかにしかメモは存在しない ] [ 内部に這入れる建物は出入り口でバッタリしやすいので、序盤に行くか、すばやく探索・脱出する ] 追記
ダウンロードは、サーバーを選んだ後、数分待つ必要があります。
準備が整うと音声で "Download ready" と知らせてくれるので、気長に待ちましょう。
管理人コメントとにかく、目印も何も無い森の中、何の説明も無く放り出されるスタートで、まず混乱します。
最初のプレイでは、道なりの「道」すら分からない状況だったので、壁伝いに歩いた所、人工物の影さえ見えずにGAME OVERになりました。
私にとっては、「ゆめにっき」と同様、目印の分からないマップは苦手です。マップを覚えようにも、スタート地点がどこなのか、フィールドは何歩分あるのか、目印となる樹や道はどこなのか…本当に手がかりが見つかりません。
スレンダーマンの追跡がある以上、「闇雲に探す」手法も通じません。どうやったらマップを覚えられるのでしょうか?
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レビュワー [ 赤松弥太郎 ] ジャンル [ 生き様 ] 作者 [ 鉄鋼団 NOIE さま ] 容量・圧縮形式 [ 全10話・計448MB(完全版225MB)・ZIP ] 製作ツール [ NScripter ] 言語 [ 日本語 ] 備考 [ 完全版 価格1,050円 ] ダウンロード ※このレビューは同人王読了済みの方を対象にしています(ネタバレ注意)
ハマリ度:7 グラフィック:9 サウンド:10
「ヘタレの血統にしか、見えないものもあるんだ」
マヴォ版同人王もついに最終回を迎えました。みなさん読んでますか?
オリジナル第1話公開からのファンとしては、今回の再連載は色々と胸によぎるところがありました。
昔のことを思い出したりね。タケオのことを軽蔑したり、自分と似た部分にゾッとしたり、心の底で応援したあの頃の……思い出の作品なんですよ、ボクにとっても。
読んでない方はもう、ぜひ読んでください。創作に興味がない方でも、ドラマとして胸打たれる部分は絶対にありますから。
同人王読者の皆さんに、オススメするフリーゲームを挙げるとしたら。
ボクは断言します。「同人王」が好きなら、「Kinoko」シリーズは是非プレイしてみるべき作品だ、と。
確かに、大まかに言えばバトルもののKinokoと、サクセスものの同人王、扱っているテーマは表面的には違います。
あと、最終的にアレした同人王に対し、Kinokoにオイシイ展開はありません。男女がいい雰囲気になることすら稀です。
しかし、そんな些細なことはこの際、どうでもよろしい。より根源的な部分で、Kinokoと同人王は似ているのです。
その雰囲気、「コイツはヤヴァイ」と本能が悲鳴を上げる中毒的な味覚が、両作で通底している……
感覚レベルで言えば、こうなるでしょうか。
何が似ているのか。なぜ似ているのか。
今回のレビューでは、がっつりと「同人王」と「Kinoko3」を比較評論していきます。
……決してコバンザメ商法じゃありません。が、最後までこのレビューを読んだみなさんに、両作が本当に似ているのかのジャッジはおまかせします。
比較するに際して、作品外の、制作段階の裏話にあたる部分にも触れます。Kinokoは制作後記と鉄鋼団の皆さんに聞いた話を元に、同人王はボクの記憶をベースに振り返っていきます。
思い出したくないこともあるでしょうが、牛帝さん、NOIEさんご両名にはご容赦いただきたい。
しょうがないんです、両作がそういう性質の作品だから。
◆成り立ち
同人王第1話公開直前、牛帝さんは妙に自信たっぷりだったことを覚えてます。
というのは、その頃の牛帝さんってすごいネガティブだったんです。人生詰んだって考えてました。
社交性がないから就職もできない、漫画家志望だったけどプロになれる見込みもない、同人本で食っていく画力もない。まるで作中のタケオと同じ考えでしたが、当時の牛帝さんはタケオよりだいぶ年上でした。精神的に追い込まれ、焦るばかりで、体が動かない。
そんな自分をダメだダメだと言うばかりの牛帝さんが突然、「いいアイディアが思いついた」って断言したんですね。
一銭の得にもならないWeb漫画なんて描いてる場合じゃないだろ、さっさと就活しろ、という「まっとう」な反応も、あったと思います。
でもボクは、「これはもう、覚悟を決めたな」と肌で感じてたんですよ。
牛帝さんにそこまで自信を与えたものを、ぜひ見てみたい、そう思ってましたかね。
Kinoko3制作当時のNOIEさんも、非常にマズい状況に追い込まれていました。
間に合わせで作ったバカノベル「Kinoko」。あまりに出来がヒドいと感じ、そのリベンジを目論んだ「Kinoko-2」。
しかしKinoko-2を完成させてなお、NOIEさんの中では、不完全燃焼感がずっとくすぶっていました。
就活をしないといけない、タイムリミットがあることは前からわかっていたのに、自分ははたしてベストを尽くしたのだろうか。きちんとケリを付けずに終わっていいのだろうか。
Kinoko-2制作中、友人に「就職とKinokoとどっちが大事なんだ」と聞かれたとき、曖昧な笑みを浮かべることしかできなかった自分にNOIEさんは気づいていました。そんなことで就活がうまく行くはずもなく、Kinoko-2も不本意な出来で終わっている。
なんだ、結局ヘタレじゃないか。作中では「やるならとことんやれ。白黒つくまでな」なんて言わせてたクセに、自分はとことんやれてないじゃないか。
もう日和らない。そう決めたNOIEさんはついに舵を切ります。就活を諦め、Kinoko3制作に全てを賭ける、と。
ご両名の行動を、ただの現実逃避と「まっとうな大人」は言うんでしょうなあ。
ふつうの人生にはもう戻れない、このままジリ貧で死んでいく未来も、当時のお二人には見えていたことでしょう。
ただ言えるのは、就職していたら、この鬼気は生み出せなかっただろうということ。
ギャグだとタカをくくっていると足元をすくわれる、両作に共通するこの切迫感、一種の余裕の無さは、間違いなく当時の作者の心境を反映しています。
ルサンチマンなんて横文字ではとても表現ができない、社会に対する怨念、クソッタレ根性が、両作に共通する通奏低音として流れています。
◆戦法
ここでは、作品の特徴となるような話の見せ方やウリ、得意としている笑わせ方泣かせ方等々を、牛帝さんにならって「戦法」と呼ぶことにします。普通の言い方だと「芸風」かな。
すぐさま共通点として浮かび上がってくるのが、無節操なまでのパロディの乱発。
両作ともに元ネタの振れ幅がすさまじく、メジャーからマイナー、あらゆるところからパロってます。
ただマイナーなだけならまだしも、「これ、絶対両方知ってる人いないだろ」というくらいかけ離れたジャンルが同居しているせいで、元ネタ特定は困難を極めます。というか、わからない人はパロディであることにすら気づきません。
サイトに書いてある元ネタ答え合わせを見て、あらためて呆れる、という楽しみも、両作に共通します。
ただ、ご両名ともに、わかりにくいネタで煙に巻こうとか、そんなことを考えてたわけでもなさそうです。
両作とも、あくまで自分のために作ってる作品なので、そもそも語る相手としての読者への意識が薄いのですよ。
作者が好きなものを好きにやってたら、結果として作者のカオスな部分が出てしまった、それだけだと思いますね。
ギャグだと油断しているところへ至言をたたき込むというやり方も、両作に共通してます。
同人王もKinokoも、どちらも負けず劣らぬ名言メーカーです。魂を揺さぶるストレートを不意に放ってきます。
いずれも借り物の言葉ではなく、それまでの展開の裏打ちがあるから、作者が腹の底から思っていることが伝わるんですよね。
そのくせ、名言を吐いた次の瞬間、途端におちゃらけたりするので、それも油断なりません。
でも、照れ隠し、というのともちょっと違うと思ってまして。どこまでギャグでどこからマジか、わからないんですよ両作とも。
どこまでも真面目な場面のハズなのに、読者にシリアスな笑いを提供してしまったり、かと思えば、どう見てもギャグだったシーンに、とんでもない伏線が張られたりします。
少なくともKinokoについては、NOIEさんは意図的にギャグとシリアスの色分けをしていない、とのこと。
全てひっくるめて同人王であり、Kinokoである、という姿勢もまた、両作で変わりません。
そしてその中には、作者の実体験に基づく嫌話も入ってくるのです。
同人王2話の八極拳のくだりは、稽古事を中途半端にやっていた人間に刺すような痛みをもたらしますが、あれはかなりの部分牛帝さんの実話です。
Kinokoもまた、「友人の誘いを断って家でネトゲをしていた」「小学生の時、生徒会長に『お前は最低最悪の人間だ』と言われた」などの、NOIEさん本人の聞きたくもない嫌話が唐突に出てきて、同種の思い出を持つ人間を悶絶させます。
NOIEさんはKinokoのことを「メタ私小説」と呼びましたが、同人王も同じですね。
手近なところから何でもかんでも突っ込んで闇鍋にした結果、かなりの部分に作者の血肉が混入しちゃってます。
絵はかわいいのに、やってることはアレというのも、両作を語る上で重要なポイントです。
そして、作業の効率化を狙って、フォルムを洗練させていった過程も、両作で一致しています。
◆ヒロイン
さて、牛帝さんが連載開始当初持っていた「いいアイディア」ですが、実のところかなり漠然としていたらしいんです。
連載開始時、1話1ページ目からアレというインパクトで評判は上々だったのですが、作者本人が成功していないのに同人ノウハウやられても、という意見は最初からありました。
このままではモテナイ君の恋愛論という批判は免れないだろうな、という感じでしたね。傑作になる気配は正直、さほどなかった。
そんな同人王を、文字通り救済したのがヒロイン、神谷白子だったんですよ。
……えっと、肉先生のことね。ここは全年齢枠だから、ペンネームをフルでは書けないので。
彼女はいったい、どこから来たのか?
誰にもわかりません。牛帝さんですらわからないんですから。
当初はまったくの一発ネタ、後で使い回す気もないキャラだったと聞いていますが……蓋を開ければ、ものすごい反響。
この肉先生が登場したことで、同人王は当初の構想とはまったく違う漫画に変わらざるを得ませんでした。
そう、この瞬間に今の同人王が誕生した、と、こういうことです。
しかしこれは同時に、牛帝さんの苦悩の日々の始まりも意味していました。
何しろ肉先生というキャラクターが、牛帝さん自身わかっていなかったのです。
このハチャメチャなキャラクターが持つドラマ性を、さらに同人漫画のハウツーという当初の目的と両立させる、という離れ業は、結局3年後、終盤に入るまで成功しませんでした。
懐かしいなあ、序盤のプロット(マヴォ版第7話までに相当)を読んで、ボクは感激のあまり「これぞ大傑作!」と叫んだんですよ。それが、マヴォ版でカットされたあのエロシーンが、まさかあんなに叩かれるなんて……今なら、叩いてた人の気持ちも少しはわかりますけど。
Kinokoシリーズにも、作品全体のベクトルをねじ曲げた元凶のヒロインが存在します。
Kinoko-2の主人公、姫路佳世が、その人。
姫路佳世、17歳、高校2年生。
性格は傍若無人、思いやりゼロ。無自覚に的確に人を傷つける毒舌家。意味不明なテンションで繰り返される電波的言動もあり、友人がたった一人しかいない。
趣味もなく、勉強する気力も遊ぶ気力も生きる気力もなく、家と学校の間をただ往復し、どちらでも「タリィ~」と言って寝てしまう、それだけの人生を送ってきた彼女。
しかし、彼女の黒歴史、小学生時代に書いた小説ノートにキノコが生え生長、町を侵略し始める。
一度はキノコにぶちのめされ、殺された彼女だが、「ヘタレのままでは死ねない」という根性で立ち上がり、パワー全開、心の毒で、ムカつくキノコを大・虐・殺!
……というのが、Kinoko-2のストーリーです。
真の問題は、人畜無害のヘタレたちが、和気藹々とバカをやってるだけだった初代Kinokoの世界に、毒のかたまりである彼女が放り込まれたところにあります。
ムーミン谷に悪魔がやってきた結果、初代主人公はキノコにボコボコに殴られ、ホームレスのおっさんは姫路に説教をしはじめ、馬面の先輩は警官になって銃を乱射し、そして花屋の女の子は影が薄く……あ、これは元からか。
姫路の乱入により、みんな否応なくバトルものに変質せざるをえなかったのです。
姫路と肉先生は非常に極端、対極に位置するキャラクターです。
肉先生が天使とすれば、姫路はまさに悪魔。出会ったら100%喧嘩します。
しかし、こんな正反対な二人でも、むしろ正反対だからこそ、通底する部分があるように思うんです。
牛帝さんには白子という人間がわからなかった。だから、研究を重ねた。
本を読み、ネットを調べ、彼女の菩薩的な行動心理、女性同人作家としての生き方を分析し、彼女ならどう動くかを真剣に考えた。
一方NOIEさんにとって姫路は……なんでも、作ってる頃の記憶が無くなってるそうなんですが。
恐らくはNOIEさんの無意識の部分が姫路を動かしていた。だからKinoko3の頃には、NOIEさんが特に考えなくても、勝手に動くまでになっていた。
アプローチこそ違うものの、ご両名が生みだしたのは生々しい、人間くさい天使と悪魔。
二人とも、シナリオのご都合なんかで振り回されない、キャラクターとしての強さ、そして人間としての弱さを備えています。
肉先生が抱えている強い自己否定感情や、妄信の裏にある脆い自我も、
姫路がやらなきゃいいのに悪ふざけをした後、振り返らなきゃいいのに振り返って凹むしょーもなさも、
それが残っているからこそ、ボクたち凡人が二人に共感する余地が生まれます。
肉先生のビョーキな部分も、姫路のヘタレな部分も、程度の差こそあれ、ボクたちみんなが持っている弱さに繋がっているからです。
Kinoko-2から1年後、そんな姫路が、Kinoko3の主人公を弟子を取ります。
キノコと人類の全面的絶滅戦争が始まっているKinoko3で、彼女は救世主、人類最後の切り札と呼ばれ、畏怖されるようになっています。
しかし、やってることは2以上にムチャクチャ。
例えば密造どぶろくをカッ喰らって酔っぱらい、主人公を一升瓶で殴り昏倒させた翌日、二日酔いさめやらぬまま出撃するもゲロが詰まって途中退場、後始末を主人公に押しつけて家に帰っちゃう……そのくせ、挙げた戦果は主人公たちとは桁違い、という。そんな感じ。
主人公を弟子に取ったと言っても、一方的に「師匠と呼べ」と迫る、いかにも姫路らしいやり方でした。
しかもやっていることは、面倒ごとの押しつけと、理不尽な鉄拳制裁だけ、というね。
しかし姫路は、肉先生以上に弟子を取るような性格じゃないはずなんです。
もともと姫路は、みんなのために我が身を犠牲にして戦う、なんてガラじゃないのに。
身も心もボロボロなのに、それでも彼女には、どうしても叶えたい望みがあって、だからみんなの期待を背負って戦い続けてる。
彼女もまた、ヒーローなんですよ。
まるで自分のようなヘタレっぷりで見ていられないから、と主人公を弟子にした理由を語る姫路ですが、
きっと主人公には、自分のような苦しみを味わってほしくないと思っていたに違いありません。
肉先生は、弟子を取ることで自分もまた成長し、最終的に自分自身も救われました。
はたして姫路は、弟子を取ることで変化があるのか? 彼女に救いはあるのか?
……無理じゃないかな。日頃の行いが悪すぎるし。
あ、繰り返しますが、Kinokoにオイシイ展開はありませんからね。
迂闊に姫路を口説こうとすると、素手で首を千切られてゲームオーバーなので。諦めてください。
にもかかわらず、わざわざゲームオーバーになりに来るほど熱烈な姫路ファンがいるんですよねえ。マゾでしょあなた方。
口説ける三人にしてもオイシイ展開は無いし、→みたいなヤツばっかりだから、世を儚む気持ちもわかりますがね……。
◆中だるみとその打開
同人王のエロ展開が叩かれたことにより、エロの力でタケオが生きる希望を取り戻して第一部完、という構想は破棄するしかなくなりました。土壇場で連載継続へと急ハンドルを切ります。
その時も牛帝さんは、今後の展開にご期待下さいとばかりに自信満々だったのですが、案の定、具体的にどうするか考えていませんでした。具体的に考えていないから自信満々でいられた、と言うべきか。
長い長い低迷期が始まります。マヴォ版で言うと第9話から第18話、その間2年5ヶ月。
それまでの8話は10ヶ月で描き上げています。読み比べてわかるとおり、第9話以降はスピード感が全く違う。
個々のエピソードとしては、ノウハウとして有用な情報や、キャラ設定の展開等見るべきところはあるが、進むべきビジョンを見失っているから、全体として焦点を結ばない、ドラマが無い。マヴォ版でカットされた話もありますが、いずれもつまらないと言うより、大筋に一切影響を与えない、という理由でカットされています。
作画のデジタル化、新都社からの離脱、プロアシスタントの仕事等、様々な環境の変化も重なり、連載ペースはどんどん落ち、読者はどんどん減っていきました。
さっさと投げろ、過去の遺物にすがるな、と友人からは言われていたそうですが、
それでも牛帝さんは、同人王を投げられなかった。それは未練と呼ぶべきでしょう。
何が転機になったか、ボクもその前後の出来事をハッキリ覚えてはいませんが。
覚えてるのは、「ミスター味っ子ばりの同人誌バトルで同人王を目指す」という構想を発表したときですね。自信たっぷりに。
もう、総スカンを喰らいまして。面白いという人もいましたが、それは同人王でやることじゃない、という点は全会一致でした。
自信ある構想を全否定されて、当時の牛帝さんは半ギレ気味でしたねえ。しかし、危ないところでした。
その当時の読者って、ボクも含め、愛し方はそれぞれ違えど、同人王が好きで好きでたまらない人だけでしたから。
同人王がどんな作品であるべきか、ある部分で作者以上にわかっていたのだと思います。
Kinoko3が中だるみの危機に襲われたのは、第4話のこと。
Kinokoにケリをつけるという目標は当初から明確で、しっかりと構成を固めてから連載を開始したはずだったのですが、
中盤で「なんとかなるだろう」と思っていたらなんともならない、という事態が発生してしまいました。
水着の女子2人のイメージイラストで「次は南国だ!」と釣っておいて、
蓋を開けたら水着はない、ビーチもない、お約束のシーンが何一つ無いままぽそぽそと話が進み、「これがKinokoだ」と居直る、
というのが公開当初の第4話だったそうです。
わざとハズしているのですから、面白くなるはずがない。
熱心なKinokoファン、そして鉄鋼団内部からもブーイングが寄せられます。ヌルい、と。
当時のNOIEさんも恐らく、随分とキレてたんじゃないかと思います。
でなければ、Nスクでマインスイーパを実装するところまではいきません。
ミニゲームをてんこ盛りに盛り、お約束シーンを斜め上のネタとして取り入れ、格段のパワーアップを果たしたバージョンアップ版は、わざわざ第5話公開後に公開されました。
これ以降、Kinoko3の笑いはここまでやるか、と呆れさせる成分が非常に強くなり、引き上げられたハードルはその後、NOIEさんを苦しめることになります。
しかしその努力、NOIEさんにとっては決して無駄ではありませんでした。
ここで培った、とことんまでやり抜く姿勢は、後のSTARLIKEの超クオリティに繋がっていくわけです。
Web連載の最大の特徴は、ファンの反応が制作中リアルタイムに、直接作者に寄せられるところにあります。
しかし、それぞれファンの反応は一人一人異なります。特に同人王やKinokoのような優れた作品は、幾通りにも楽しみ方があって、ファンによって見方が全然違っていたりする。
そして中には、作者の想定を超えて、ファンが楽しみ方を見つけてしまう場合もあるわけで。
色々なケースがありますが、両作については、「なぜこの作品は面白いのか?」という問いに、作者とファンが共に答えを探した、ハッピーな事例だったと思います。
◆主人公
迷走を続けた同人王ですが、マヴォ版第15話中盤から半年かけて話を整理し、そして第19話以降の終盤展開を迎えます。
ここでついに、肉先生とタケオのドラマが、同人漫画ハウツーと両立するという奇跡の大技が成功しました。
「3次元を意識する」という絵画技術の問題を、わざと「世界の見え方」という人間の問題に飛躍させる……まあ、強引ではありますよ。
幽体離脱体験で絵がうまくなるなんて、どう考えてもフィクションです。しかし、そんなことがどうでも良く思える説得力がある。
このテーマが、急ごしらえで出てきたものではないからです。同人王は最初から、世界の中での立ち位置に悩む青年群像でした。
同人王の主人公、根本タケオは、よくあるタイプの落ちこぼれです。
実は子どもの頃は神童だった、という設定があります。しかし今ではすっかり落ちこぼれてしまっている。
それは、努力をしなかったから。
いくらやっても飽きない、というほど好きなものもなく、多少の苦などなんでもない、と思えるほど情熱を傾けられるものもない。
負けることを恐れ、苦痛を避け、「楽をして勝てる舞台」を探すばかりで、努力をしたことがないから、努力の仕方もわからない。
肥大化した自意識はそれでもなお、「自分は特別な人間だ」と信じ込もうとして、そこで同人王妄想に取り憑かれるのです。
Kinoko3の主人公、鶴見太郎はその点、タケオとは好対照と言えましょう。
タケオが落ちこぼれなら、太郎は凡人です。どこまで行っても。
イケメンでもなく、ブサイクでもなく、印象は良くても「いい人」止まり。
友人も少なくないが、多くもなく、クラス替えになっても続くほどの親友はいない。
勉強を頑張ったところで相対評価の5には届かず、苦手な科目も2より下にはいかない。
特に趣味もなく、水泳部ではそこそこ真面目に活動しているが、特筆する成果はない。
決して目立たず、波風立てず、無茶をせず、そこそこの進路に進み、そこそこの人生を送る……それが彼の運命でした。
そう、太郎は特別な人間になろうとは思っていなかった。「自分は特別な人間だ」と考えることすら、できなかったのです。
タケオは、初同人が一部も売れなかったことを機に、自殺を図ります。
自殺まで思い詰めてしまった理由については、色々な意見があるでしょう。が、こんなのはどうでしょう。
「普通の人のように生きられないのは、自分が特別な人間だからだ、というアイデンティティが崩壊してしまったから」
タケオにとっては、自分が普通の人間であると認めるくらいなら、選ばれた勇者と思い込んだまま死んだ方が良かったのです。
しかし、タケオは死ななかっただけマシでした。アイデンティティの崩壊から、死に至る場合もままあるのですから。
太郎にとってのきっかけは、憧れの先輩、才媛・御手洗神菜に告白したこと。
ヘタレの自分が片想いすることさえ大それてる、告白したらもう元の生活には戻れないかもしれない……この妙に悲壮な決意に、違和感を覚える人もいるでしょうね。
しかし太郎にとっては一大事なんです。平々凡々であることをアイデンティティとしてきた彼が、自らの手でその殻を壊そうとしているのですから。
この時の独白、どこか主客が転倒してます。彼女とつき合うことより、自分と、彼の住む世界を変えることが目的になってしまっている。その機会は、今回告白しなかったら一生二度と訪れない、と彼は確信していて、それは事実その通りだったのです。
しかし、悪い予感は最悪の形で的中します。告白したところ、彼は神菜先輩にキノコとの戦闘に連れ出され、殺されてしまいました。Kinoko3完。
……こんなムチャクチャなオープニング、そう無いですよほんと。
かくして二人は、自分の世界で演じ慣れていた役を降板するハメになります。
タケオは、自らを主役と言い張る道化役から。太郎は、通りすがりのエキストラ役から。
二人が本当の意味で、自分の世界の主役になるためには、前に立ちふさがるヘタレの壁に挑まなければなりません。
ここで言うヘタレとは、やるべき時に、やるべき事ができない人間のこと。
自らをヘタレと呼び、周りからもそう呼ばれていた二人が歩んだ道は、これまた好対照でした。
先述の中だるみのせいで、タケオは本当に長い間苦しむことになりました。
むしろ中だるみの最大の原因は、タケオを成長させる筋道が見えなかったからじゃないかとすら思えます。
しかしそれでも彼は、最後まで同人漫画を投げ出すことはありませんでした。
最初は、「それしかない」という思いから、しがみついていただけかも知れません。
しかし徐々に、確実に、タケオにとって白子という存在は、絶対に守りたいものへと変わっていきました。
父親が叱咤しても、妹が激励しても、親友が焚き付けてもなお逃げ回っていたタケオがはじめて、向き合いたいと思えるものに出会ったのです。
向き合い、苦しみ、そしてやっと手に入れた、努力が順調に積み重なるようになった日々。
もうタケオは、選ばれた勇者だと思い込むことはありません。成長の喜びが、彼に根拠のある自信を与えていきます。
一方で太郎は、あまり苦労をしないまま戦っていました。
蘇った太郎は、最初から全人類中5本の指に入る戦士として覚醒しちゃってます。太郎の戦士としての成長はめざましく、ついには神菜先輩をも凌駕するまでになりました。
しかし人間としては、決定的な転機もないまま、波風立てず、無茶をしない今までの生き方を続けてしまっています。
姫路他周りのぶっ飛んだ連中に流され、振り回されるばかり。なにくそ根性で食らいついてはいるものの、自分からことを起こそうとはしていない。
他のみんなには、キノコと戦わねばならない理由があり、叶えたい野望がある。太郎は、その理由が自分にないこともわかってしまっています。
神菜先輩への告白も、ウヤムヤなまま宙に浮いてしまいました。
皮肉なことに、本当に終盤、戦士の力を失ってはじめて、太郎は主人公として覚醒するんですよ。
誰からも期待されない、一般人未満のポンコツになってはじめて、彼は勇者でもなんでもない自分自身と向かい合うことになりました。
そこでついに、自分の意思で行動をはじめます。誰にも期待されていなくても、それでも立ち向かおうと決心します。
ここで重要なのは、太郎は別に、叶えたい夢を見つけたわけではない、ということです。
野望なんてない。希望なんてどこにもない。生きる理由なんて持ってない。
そんなもの、今は無くてもどうでもいい。ただ生きたかったから、立ち向かわずに死ぬのがイヤだったから、絶望してもなお、太郎は歩き続けるのです。
タケオと太郎の生き方は、ヘタレというコインの両面のようだと、あらためて思います。
特別じゃない人間なんて誰もいない。でも、特別な人間なんて誰もいない。
生きていくためには希望が必要だ。でも、希望が無くても生きていかなきゃならない。
きっとボクたちは、その間で生きていくしかないんですよ。
才能とか、能力とか、そんなの関係無しに、誰だって自分の世界の主役になるために、あがき続けていくしかないんです。
主役として覚醒した太郎は、珠玉の名言を吐きまくるんですが、1つだけ紹介します。
力に目覚めた当初、戦士なら誰でも使えるはずの舞空術が使えなくて、飛ばない豚は屠殺場だの、チャーシューだの背割りだのミンチだのとさんざんに言われた太郎。
再び飛べなくなってしまって、それでも立ち向かおうと決心した時の台詞です。
「飛べないんだったら、歩くしかないだろ?」
◆結局、なんだったのか
今回、このレビューで一番悩んだのは[ジャンル]欄でした。
制作時、NOIEさんはKinokoについて、「ジャンルはヘタレ!」と言い張っていました。煉さんによる前回のレビューでもそれを踏襲し、激辛的にはバカゲーに分類されてますが。
しかしねえ、絵も音楽もシナリオもおふざけも、NOIEさんが全力以上出しきって、ここまで極まってしまったKinoko3はもうヘタレゲーとは呼べないんですよ。
鉄鋼団のみなさんに、「Kinokoって一体、なんだったんでしょう?」と聞いてみたんですが、いやー、驚くくらいポジティブな答えがない。
プラスだと思う人なんていない、退廃的、負のオーラのかたまり、と言いたい放題。
NOIEさんに言わせると、作家としての通過儀礼、とのこと。要するに未熟な実験作で捨て石だ、と。まあ作者はそう言うでしょう。
同人王も、面と向かって牛帝さんに聞いたことはないですけど、どうも作者本人は、なぜファンがいるのか納得してない節があります。
質問したとき、団員のKAIさんがいいこと言ってたんです。
「負の部分が、自分とリンクすると死にたくなる。でも、そういうのも面白かった」と。
読者であるボクたちにとって、タケオや太郎、その他登場人物たちは、ヘタレな自分を映す鏡なんですよね。
だから、成功してほしいし、成功してたまるかとも思う。
そうして結末を迎えたときに得られるカタルシスは、Kinokoも同人王も、共通するものがあります。
よく、「読者の皆さんの応援のおかげで完結できました」って言うじゃないですか。
牛帝さんもNOIEさんも、そう言ってるんですけどね。
でも同人王については、ボクの気持ちは、応援なんて生やさしいアレじゃないぞとか思っちゃうんです。いや、応援だけにとどめておけよって自分でも思うんですけど。
主人公のヘタレさに共感してしまう、自分の中の弱い部分とか、負の感情とか、そういうものもボクは同人王に託していて、
でも同人王は、そんなマイナスのオーラさえ飲み込んで、昇華してくれる。
あの時の自分の腐った気持ちをそのまま引き受けてくれた、そんな作品なんです、ボクにとっては。
もしかしたら、昔からのKinokoファンも、同じ気持ちなんじゃないですか?
そうでなければ、プレイヤー参加企画で、みんなしてあんなキャラクターを投稿しないと思いますよ。
みんなの心の毒を飲み干して、みんなに代わって戦う、そんな器みたいな作品。
同人王とKinoko3について、ボクはそう感じてるんです。
◆商品展開
Kinokoも同人王も、無料のWeb連載で完結している作品です。
単行本版同人王や、Kinoko3完全版で追加されているのは、本当に若干のおまけ程度。楽しむだけなら、Web連載版で十分です。
完成版商法というのが全く当てはまらない商売気の無さ。
ご両名とも、自分にとっての記念品のつもりで作ったらしいんですね。
なのに、なんでか売れてるんですよ。それがわからない。
みんな騙されてるんじゃないかと疑うくらい売れてるんで、重ねて言いますけど。
ホント記念品、自己満足なコレクターズアイテムとしての意味しかないですよ。しかもプレミアが付く見込みもないし、自慢にもならない。
ボクのような本当の物好きしか買わない代物なんですからね。
……そんな物好き、200人もいてたまるか。
しかしこの売り上げが、牛帝さんとNOIEさんの次回作のために使われるのなら、ボクとしてはそれはそれは喜ばしいことです。
両作を乗り越えた先に、ご両名がどんな境地を見せてくれるのか……
NOIEさん、STARLIKE第2部が難産になることは、ファンとしても織り込み済みでした。あるいはKinoko3すら上回る消耗戦になるやも知れませんが、まずは第漆話の無事完成を祈願しております。
そして牛帝さん、同人王が大当たりしてすっかり調子に乗っちゃって、ボクは新作になんてこれっぽっちも期待してないんだからねっ。悔しかったらせいぜい頑張って、やれるもんなら見返してみせなさいよ。ふんだふんだ、だっふんだ!
ボクはせいぜいボクらしく、あがいていこうと決めてますから。
管理人コメント読むこと・プレイすることオンリーの私にとっては、作者の背景まで探ることは原則としてありません。現在の投稿・イチオシの状況でそんなことをしてたら、時間を1日240時間にしても足りないので。
ただ、「同人王」も「Kinoko3」も、有料版を求める理由は「Web上のバラバラ状態ではなく、まとめて読みたい」と言う需要があるせいだと、私は感じています。それだけの「パワー」があることは、にわかの私でも分かります。
Twitterを見ても、クリエイターの道はかなりの修羅。人生を駆ける…いや、捨ててもいい程の執念が無ければ勝ち抜けない道であることが分かります。
「気楽に生きる」ことが心情である私にとっては、あまりに重すぎる道ですが、「同人王」はその修羅の道を分かりやすく笑えるように仕上げた作品です。「Kinoko」シリーズ自体も、気軽に主人公たちの「心毒」な生き様を楽しめる作品です。
あわせて読むのは…正直、赤松さんのレビューが来るまで考えもしませんでしたが。
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レビュワー [ DECOすけ野郎 ] ジャンル [ サスペンスサウンドノベル ] 作者 [ あみそ組 さま ] 容量・圧縮形式 [ 279MB・ZIP ] 製作ツール [ LiveMaker ] 言語 [ 日本語 ] 配布元 【あらすじ】
あの連続死亡事件から半年後。各人は心に傷を抱えながらも、日常を生きていた。
しかし、演劇部にてあの悪夢のメロディーが再び流れ、惨劇が再び繰り返される。呪いの正体とは。呪いを止める方法とは。
前作では語られなかった真実とは。
そして、この事件の黒幕は何者なのか。これは、ある「希望」を見届ける物語である。
【概要】
このゲームは「カクサンキボウ。」の続編です。
やっていなくても、一応はOPのダイジェストでひと通り話を説明してくれるのですが、話の流れ的には前作をやっておいた方が思い入れ度とかそういうのがある感じ・・・ともかく、前作はやっておいて損は無いっつーことです。前作と違い、サウンドノベルに特化しているので、前作であった
「サウンドノベルとしてプレーしづれえ」(意訳)
というのはすべて解消されています。基本的に死ぬこともなくなったし(選択肢もあるが、ミスっても即死というわけではない)、一本道だし心配事がより減った感じですね。恐怖演出の方ですが、今回はあの人がまさかの・・・ネタバレなのでこれ以上は言えないですが。ああ、うん、まあ・・・。演技している人、すげえなあ。
今作では「ホラー」ではなく何故か「サスペンス」となっているのが最初気になったんですよね。
なるほど。そうだったのか。
前作では主に「怨念」「見えない恐怖」と対峙するということだったわけですが、今回はそういう要素は少しはあるものの、方向性が違うわけなんです。
具体的な内容に関しては・・・これはもうやっていただくしかありません。
ネタバレ度が高い内容なんで、こればかりはどうか。
管理人コメント前作は「拡散死望」の呪いが元凶であり殺人鬼であったのですが、今作の「拡散死望」の役割は「凶器」となっています。この点が今作のジャンルが「ホラー」から「サスペンス」に移った理由です。
そして、しこりの残る結末…今作「拡散『希望』」につながる結末であった前作に対し、今作の結末は非常にスッキリとしたものになっています。おそらく「完結編」を目指して製作したものと思われます。
具体的な点は本編をご覧ください。少なくとも前作以上のどんでん返しが貴方を待っています。
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レビュワー [ DECOすけ野郎 ] ジャンル [ ヤンデレBL(コマンド選択式)アドベンチャー ] 作者 [ 七屋みつき さま ] 容量・圧縮形式 [ 14.7MB・ZIP ] 製作ツール [ 吉里吉里2 ] 言語 [ 日本語 ] 備考 [ このゲームは、猟奇的・グロテスクな表現が含まれています ] 配布元 ちょっとした肝試しの旅(TRIP)に、まさかの罠(TRAP)が迫る・・・!
【あらすじ】
主人公、月島穂高は山岸悟也と仲が良かった。
しかし、高校卒業を間近に控える中、二人は離れ離れになってしまう。
そこで、最後の思い出を作ろうということで夜中の学校で肝試しをすることとなった。
まさかあんなことになってしまうとは・・・。
【前書き】
えっと、これは大事なお約束です。
当作品はBL表現があります。あと血がかなり多い内容となっています。
エンディングが全部で13種類ある中で、ほとんどは悟也死亡エンドなのでそういう内容が苦手なかたはまず遊ばない方がよろしいでしょう。【概要】
逆に、そういうのが割合苦手ではない方にはオススメできる内容となっています。
ヤンデレ、そして・・・吹き荒れる!愛とバイオレンスの嵐!主人公の保高は、外見だけを見るとどこにでもいるような爽やかボーヤなわけです。
しかし、心の底はドス黒い。もうね、これはすごい黒さです。相当にえげつない。
グラフィックは水彩っぽくて爽やかなのですが、それを血を血で洗うな内容なわけですね。保高は、悟也を自分だけのモノにするためには、何だってやる。
他の人を傷つけることも躊躇しない。そう、殺すことだって・・・。
ともかく、そういうキャラを操作していくのがこの話の主な目的なわけです。さて、このゲームはちょっと変わっていて「あらかじめ行動回数が制限されている」探索アドベンチャー形式となっているわけです。
前半に20回、後半に20回それぞれ行動を選択できるわけですね。
そして、その行動のフラグにより前述のエンディングに分かれるわけです。
悟也君が生き残るエンドが10個のうち2つしか無いんで・・・
まあ、そういものだと思ってください。行動では、「調べる」「移動する」がそれぞれ選択肢としてあるわけですが、まずは「調べる」ことを優先して行きましょう。
特定のアイテム入手や行動によりエンディングが分岐します。
中には、特定のアイテムを獲得しないと特定の場所に移動できない場合もあるので、注意が必要です。エンディング10(一応ベストエンド扱い)をクリアしたあとは、おまけルートが出てきます。
これまたすっげぇ嫌な話(俺はこういう話は好きです)と、ほのぼのする話と両方あります。
まあ、保高は人殺しているわけでどこがほのぼのなんだ、この国の警察はどうなっているんだと思うかもしれませんが、この作品基準では割合ほのぼのとしている方なので・・・。愛はいつも いくつかの過ちに 満たされているものなのかもしれません。
管理人コメント本作は「ふりーむ!」に掲載しているだけあり、セクシャルな表現については、全年齢レベルの制限がかかっています。逆にバイオレンスな表現については、あまり制限がかかっていません。
ビジュアル的な表現は血液描写程度ですが、効果音と文章のグロテスクさは甚大で、プレイ中、冗談抜きで吐き気を催しました(ある意味褒め言葉)。
ちなみに、「悟也君が生き残るエンド」2つのうち1つは、OPで終わるENDです。つまり、本編突入後に悟也を生存させるためには、数あるパターンのうち1個を見極めないといけません。
周回プレイを見越してか、探索パートもスキップできるようになっています。色々とフラグを変えて試してみましょう。
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レビュワー [ DECOすけ野郎 ] ジャンル [ 探索ホラーアドベンチャー ] 作者 [ NKKK さま ] 容量・圧縮形式 [ 13MB・ZIP ] 製作ツール [ Acro ] 言語 [ 日本語 ] 配布元 ▼・・・よし、準備完了。宝石をみつけてとっとと帰るか。
俺はしがない冒険者。今は廃病院の中にいる。
かつて、この病院はこの地域の中ではそこそこ大きい病院として知られていたのだが、今は死の灰と有害物質が溢れ廃墟化している。
その他にも、この病院にはいろいろときな臭い噂があるらしい。
ともかく、お目当てのものを探しだしたらさっさとずらかるだけのことだ。・・・ん・・・?
あの紫色の髪の少女は何者なんだ?追ってみるか。
どうやらいなくなっているようだ。・・・お、何だこれは。
どれどれ。あの少女はこの病院を住処としているのか。院長の家族か何かなのか。
それとも、生まれつき体が弱かったとかそういうことなのか。さて、次の部屋は・・・あれ・・・意識が・・・。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
▽さて、今日はどうしたのかね?
▼(あれ、ここは病院なのか)
▽どこか悪いところがあるのかね?
▼えーっと、頭痛がですね。はい。あるんですね。
▽なるほど。精神的なものなのかもしれん。最近悩み事は無いかね?
▼あ、仕事がうまくいっていないんですよ。
というか、今の会社、基本給で15万以下って安すぎじゃないですか。
他に内定が無いから入ったものであって、他にマシな条件があるなら辞めたいです。
かといって、今の社会情勢じゃあ転職とかも大変でしょうし。
▽それはそうと
▼話聞けよ!
▽赤と青、どちらが冷たいか?
▼・・・なんだこいつ。
▽右腕と左腕、どちらか私にくれんかね?
▼お前は医者なのか?
▽すると、お前さまは医者を探しているのだね。
▼あなたに義侠心があるのなら、医者へ案内して下さいよ。
▽なるほど。君の言わんとする意味がだいたい見当がつきましたよ。
君はこう言いたいのでしょう。
医者はどこだ!
▼あんた、医者じゃないのかよ!
▽投薬的なものとか、あとは人体的なものとかちょっと。
▼ねッ そういう冗談は笑えないよ。ちょっとさ。面白く無いよ。
▽フヒヒ・・・腕を一本くれんかねぇーッ!
ワシの右腕にならないかねぇーッ!クケケケケーッ!
▼う、うわぁーーーッ!?~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
・・・うーん。意識を失っていたみたいだ。 どうやら、元の廃病院に戻ったみたいだ。
▼し、死んでいる!
あの謎の男は死んでいた。あれは何だったのか。こんなのしか無いのか。この病院は。
しかし、それにしても宝石はどこにあるのか・・・。
管理人コメント探索モノとしては「超」が付くほど短編の作品ですが、その中に詰められた恐怖表現は確かなものです。
この物語はマルチエンド方式を取っています。道中の怪物に襲われてもスタート地点に戻るだけで、今まで立ててきたフラグも戻ることはありません。真ENDのフラグを立てるためには、どこかで倒される必要があるのです。
良くも悪くも「ネタを知るまで」の一発屋な作品です。作者は他にも「首をさがして」「蜃奇牢」などの短編ホラー作品が展示されています。合わせてお楽しみください。
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レビュワー [ つとむ ] ジャンル [ さ迷うだけのアドベンチャー ] 作者 [ ワイヤー・パンサー さま ] 容量・圧縮形式 [ 828KB・ZIP ] 製作ツール [ AzDesignADV ] 言語 [ 日本語 ] 配布元 僕はつとむ。この間、犯罪者扱いされてしまいました。警察から。
「何か悪いことをしたからだろう?」そう言う貴方、ご自分が明日捕まっているかもしれませんよ。
道を歩いていただけで、強盗の容疑をかけられ、数時間拘束、体中を調べられ、持ち物はひっくり返され、嫌な質問をねちねち受け、やっと容疑が晴れたら、はいサヨナラ。謝罪もなし。それをこの国の権力がやるのです。しかし私はまだマシなほう。何もしていないのに、殺害予告をしたとして捕まった人もいます。幸いなことに冤罪だったと分かりましたが、彼は人生を狂わされました。警察は謝罪だけです。大きな力を振るい、守るべき国民の人権を踏みにじったのです。
何もしていなければ幸せに暮らせる、そんな時代はどこにもありません。「私には関係ないもん」そう言っているそばで、貴方の大切な人が逮捕されるかもしれませんよ。彼の父母もある日逮捕されました。そして缶詰にされました。
世の中は理不尽です。何もしていないのに容疑をかけられ、罰を受ける――これはカフカの小説ではなく、現実です。現実は理不尽が横行しています。
そんなことを考えていると――そんなことは常識だ。いちいち言う必要がない。――何かを悟ったような顔をした人からそう言われてしまう、それ自体が理不尽の一つです。
声をあげると消されてしまう。いい人はみんな死んでいく。残るのは畜生ばかりだ。
こんな歪んだ、醜い、吐気のする世界を歩く。行く当てもなく、ただ彷徨い歩くしか道はない。見えるものは色彩を失い、時には極彩色が散らばり――辺りにはノイズが鳴り響く。道標のない世界では、<状況>をよく考えましょう。とりあえずの目的が見つかるかもしれない。例えそれが答えのない出口だったとしても。
この世界の仕組みを知るためには自分で歩き、考えること。近道、裏口、見えない道――理不尽な世界を、利用してやらない手はない。PCの中、ベッドの中、一人きり部屋。何か違いがあるだろうか?
僕はいつだって孤独。君だってそうだろう。
母は鬼のように包丁を持って立っている。町の人達は幻影のようだ。
せめてその線の向こうに行ってみないかい。目の前に立ち塞がる壁をぶち破って。見えるけど見えないその壁だよ。向こうに何があるかは知っているだろう。あとはぶち破るアイテムを手に入れるだけさ。健闘を祈る。
管理人コメントつとむ氏のレビューにもあるとおり、「ネット上の殺害予告で誤認逮捕」と言うニュースが出た昨今では身につまされるストーリーです。ただし、この物語の主人公に襲い掛かる理不尽は「権力の横暴」ばかりではありません。
時には、あるシーンでの主人公が、別のシーンでの主人公に理不尽な行為を投げかける…そんな二転三転するストーリーが魅力です。
ただし、プレイヤーにとっても理不尽があります。一部ステージの「ゆめにっき」のような目印もないだだっ広いマップ…はまだ良い方です。
この「非現実都市」を作っているツール…AzDesignADVと言うのは、実行ファイルに「playerDbg.exe」とあるとおり、まだテスト版のようです。よって、環境によってはフリーズが頻発します。セーブはいつも以上にこまめに取りましょう。
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レビュワー [ 阿賀栗 ] ジャンル [ 童話風恋愛?ADV ] 作者 [ 3号館B階段下。さま ] 容量・圧縮形式 [ 35MB・ZIP ] 製作ツール [ 吉里吉里2 ] 言語 [ 日本語 ] ダウンロード 恋愛は甘いだけじゃなく、ちょっぴり苦い
国一番の美貌で皆にちやほやされていたお姫様「ビアンカネージュ」
しかし、彼女より綺麗で性格もいいノクシア姫が現れて……一週目はお城の中が、二週目以降はそれに加えてお城の外が舞台になります。
実は、お城の外に出てしまうシナリオは少し毒があります
作者さまも、
※エロ・グロ要素はありませんが、エンディングによっては人が死んだり軽く鬱だったりします。回避は一応可能です。
※対象と恋愛関係になることを目的とした素直な乙女ゲーではありません。なんというか、多分色々なものを裏切ると思います。
と書かれています
しかし、この毒があるおかげで
物語がより一層爽やかになっています。
例えば、チョコレートが少し苦いように...
登場人物ですが、ネージュさま可愛すぎます。ネージュさま可愛すぎます。(大事な事なので二ry)
彼女たちの感情描写もこの作品の魅力の一つです。
気になった人は、是非読んでみてほしいです。
あなたに心が動くことのあらん事を
あとあと、絵も音楽もばっちし!!でした。
[あれ?姫様って14才?え、あの二人、ロリコ……。]
管理人コメント著名な童話「白雪姫」を題材にしているものの、ストーリーの中心となるのは、嫉妬を抱く側のビアンカネージュ。「難しい年頃」である彼女の心理を、時にチャーミングに、時に「毒」を交えて語るストーリーになっています。
継母と継子のすれ違いは、古今東西様々な形でドラマ化されてきました。本作では、その擦れ違いをネージュの心理から描写し、完璧超人であるノクシアと、幼馴染である従者のエステリオとの交流を通して描きます。
ただし、その交流の結果がどうなるかは、選択肢に応じて大幅に変わります。色々と読み進めてください。
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レビュワー [ きと ] ジャンル [ アドベンチャーゲーム ] 作者 [ きと さま ] 容量・圧縮形式 [ DL不要・HTML ] 製作ツール [ アドベンチャーゲームツクレール ] 言語 [ 日本語 ] 配布元 僕が作った自作ゲームです。30歳なのに超美女のキャワがたった10円玉のためだけに駄菓子マニア大魔王を倒しに旅に出るお馬鹿アドベンチャーです!キトゥーン2のテツロもゲストとして出てきます!まあ出てこない事もありそうですが・・。それとあのキムタク出演のTVドラマに似てしまいました・・。でも頑張って作りましたのでやってみてください!!
管理人コメントアドベンチャーゲームツクレールは、吉里吉里やNScripterのようなスタンドアロンなツールではありません。HTMLとリンクで作る、簡素なブラウザゲームです。
他の作品を見た感じ、画像を貼る機能も無く、文章と選択肢のみを作るシンプルなツールです。
なお、作品自体の出来は、トップページを見る限りツール側が自動生成してくれるようです。他の作品も似たり寄ったりの内容でした。
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レビュワー [ DECOすけ野郎 ] ジャンル [ 大長編ディストピアノベル ] 作者 [ cutlass さま(サークルクラシックショコラ) ] 容量・圧縮形式 [ 168MB・ZIP ] 製作ツール [ NScripter ] 言語 [ Android版・iPhone版 ] 備考 [ 日本語 ] 配布元 続編はボリュームも、物語の規模もパワーアップ!そして衝撃の真実とは・・・。
公開ッ!公開ッ!ついに公開ッ!
というわけで、話は前作から続いているのでいきなり「2」をやるとイミフなパートがかなり多いです。
というよりも、話の流れとかが全くわからないです。
やっていないお方はまずは無印版を。
そして、開発費/サーバー維持費が莫大な予算がかかるので、このゲームを遊んで(余裕があるのであれば)今後のために同人誌やグッズを買ってあげてください。▽しかし、前作は・・・ギャルゲーだと思っていたら
首ったけになったり科学のわけわからん話をされたり周りがロクでもない奴らだったり
ともかくひどい目にあっていたじゃないですか。 ▼それは今作でもあまり変わらないんじゃないんですかね。
今回はもっともっと血が流れ屍の山が積み上げられ
▽でも!でも!これは愛の物語なんですよ。
ラブなんです。まあもっとも、内容は普通のラブストーリーでは無いのですが。
▼キャラでまともなのが一人もいねえじゃねえか、ええ!
ぶっ壊れすぎだろ!【あらすじ】
再発する通り魔殺人。異常な状態で発見される死体。
いったい何のために・・・!?そして、前作で断片的にしか語られなかった「5年前の事件」の真相とは。
新キャラ(明らかに怪しい)那由多とは何者なのか。
この「世界」は何なのか、そもそも本当に前作では真相に到達できていたのか。真実に近づけば、また真実から遠ざかる。
謎が紐解かれれば、また新たな謎が出てくるだろう。何がツクリモノなのか。何が本物なのか。誰が嘘吐きなのか。
誰が信じられるのか。どうあがいても絶望の中、どう切り開いていくのか。
さあ、「羽化」と言う物語を見届けるのです。【概要】
▼えー、今作は前作と違い色々な面でパワーアップしています。
絵も格段と上手くなっていますし。そして、シナリオ。
ここにかなり前作と変化がある感じですね。
▽前作では、「最初から3つの章を選べ」ましたが、今作はそういうものはなく、メインシナリオがほとんどを占めます。
あと5章まで選択肢はありません。
6章でそれぞれ選択肢が出てきて、それぞれのシナリオに分岐します。
全て読み終えるとロックが解除され、最終章に進めます。▼ストーリーの方はというと
▽やはりA社の審査が厳しいのか、そういう残虐な画像とかは少なめになっています。
もっとも文章では「人の脳みそを食う」だの「子供に殺し合いをさせる」「死体描写」などそういう要素があるわけなんですよ。
わーい黒髪だー妹だー幼馴染だー、というブヒれる要素は
▼・・・あのさぁ
▽ああ、ストーリーの方ですか。ついうっかり。
ええ、一応真面目に説明すると、世界観というものがだんだん分かってくるわけです。今の日本に近い、ちょっとした未来。だけれども、ディストピアなんですよね。
そこは。いや、近いうちにそういう未来がやってくるかもしれないですが。
それはさておき、「予告編」での意味深な千夜の発言。予想していたものと全く違ったのですが要は
「あのアレはそういう意味があったのか!」とか
「あのイベントシーンに、そういうことだったんかい!」
という前作で残っていた重要な要素に対する答えが出るわけです。ですが、謎はまだまだ残っているわけです。むしろ増えていますが。
一番最後の最後に出てきたアレ誰だよ、どういう関係なんだよ、とか。
そもそも、あの老人は何者なんだ、何を伝えようとしていたんだ。
・・・そして。▼えっ!これまだ続くの?マジで?いや、そういう予感はしていたけれども。
▽そうです。ひとまずある一定の区切りはついたとはいえ、話そのものは実はまだ不可解な部分や不透明な部分はあるのですよ。
次回作ではどのような謎が明かされるのか。楽しみですよ。フフフ・・・。
(TO BE CONTINUED)
管理人コメント前作「-嘘を吐いた記憶の物語-」では、選択肢はあるとはいえ、メインの道筋は1本だけでした。しかし、本作「-羽化-」では、終盤で結末が3つ(+真END)に分かれます。
そのENDのどれもが、物語的にきちんと完結しているのが皮肉です。前作の伏線も3つのENDで解き明かされていきます。
そして、私が「-嘘を吐いた記憶の物語-」で予告編を見たときに味わった「えっ、これってそういう話だったの!?」という驚きは、「-羽化-」本編でアッサリとその予想を超えました。伏線を張っていたとはいえ、まさかジャンルまで変わるなんて…。
そして、解き明かされていたと思っていた謎は、何気ないシーンでまた伏線が張られます。そして続く次回作「03 -歌う影の戯曲-」も、絶対予告じゃ言ってない謎があるんだろうなぁ…と確信しています。