■ 三代目レビュー アドベンチャー 5 | ||||
ハスノウテナ | The Doll Shop | Idiocy Game -Case1 | イノリの薔薇 | Aria's Story |
カホロとテトラ | 五番目の首 | 血染めのナナ | 幻影綺館 | 呪者-jusya- |
ジャンル [ 探索サバイバルホラー ] 作者 [ gugigigi さま ] 容量・圧縮形式 [ 203MB・ZIP ] 製作ツール [ RPGツクールMV ] 言語 [ 日本語 ] 備考 [ ブラウザ・ダウンロードの両方でプレイ可能 ] 配布元 この日、世界は滅びていた。
ある日を境に、体のあちこちにこぶの生えた化物が出現し、襲われた人間もまた同じく化物となった。
この絶望的な世界の中、プレイヤーの分身として操るのは、一人の少女・葛 翠愛 。
彼女は、感染者から逃げ惑い、廃墟となったショッピングモールにたどり着く。しかし、そこもまた感染者が徘徊していた。彼女は、物資と脱出口を探るため、モールの探索を始める。
そこで出会ったのは、顔に包帯を巻いた少女・瑞希 蓮華 。感染者が跋扈するモールの中、一人だけの生存者であるハナ。彼女は、記憶を他人に見せる能力を持っていた。
果たして、ハナ、そして感染者の真実は!? そして、カズラとハナは、ほの暗く危険なショッピングモールから脱出できるのだろうか!?本作のシナリオ量は1~2時間程度ですが、かなり濃密な攻略感が味わえます。
本作は、マウス操作に特化した操作感になっています。気になる箇所はマウスカーソルを運んでクリックすればすぐに調べられます。また、調べられる箇所には緑のターゲットが表示されるため、「必要なアイテムが見つからない」という事態にならないように設計されています。
ただし、「必要なアイテムを探す範囲」はかなり広め。場面によっては一人称視点で画面の隅から隅まで探す必要があります。扉の鍵、ピンチを切り抜けるアイテムなどが視点を横に動かさないと見つからない位置にあるため、画面は隅から隅まで探しましょう。
もう一つの難点は、感染者の目を潜り抜けるアクションシーン。基本は「カズラの身体が机などの陰に隠れていれば見つからない」仕組みになっていますが、問題なのは「感染者の視界が意外と広い」点と「カズラの移動速度が遅い」点。移動している間に感染者がこっちに振り向いたり、場合によってはフェイントをかけて感染者を移動させる手段も必要になってきます。
基本的に「死んで覚える」しかありません。感染者が陣取っているマップの前にはセーブポイントがあるため、必ずセーブを取るようにしましょう。
本作のストーリーは、明言された部分は少なめになっています。道中で手に入る資料から考察するほかない部分がかなりを占めています。
資料を紐解くことで初めて分かる感染者の真実。それを踏まえてみる2種類のENDの情景…。感染者たちの跡に残されたもの…。色々な感想が浮かびます。
現在、作者は次回作を製作中です。コンセプトアートを見る限り、「ハスノウテナ」から世界観を引き継いだ作品になるのかもしれません。「ハスノウテナ」で決着がついていない箇所に触れる可能性もあります。楽しみに待ちましょう。
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ジャンル [ クリックアドベンチャー ] 作者 [ Atelier Sento さま ] 容量・圧縮形式 [ 86MB・ZIP ] 製作ツール [ Unity ] 言語 [ フランス語, 英語, 日本語 ] 配布元 雪のような空虚、それが起こしたホラー。
舞台は、雪に埋もれた寒村。人形師である小林は、この寒村で人形の修繕をしながら慎ましやかに暮らしていた。
彼の楽しみと言ったら、自分の作った人形と、蝶の標本のコレクションのみ。
ある日、彼は町に出稼ぎに行っていた幼馴染と再会する。これは恋の予感?
そんな訳はなかった。この寒村には、幼女の行方不明事件から不穏な雰囲気が漂っていたからだ。
何故幼馴染はこの村に帰ってきたのか。そして、小林が毎夜見る夢はいったい何なのだろうか。
本作は、「Yurei Station」の作者、Atelier Sentoの最新作。前作の通り、ノスタルジックな舞台に似合わぬホラーを描いた作品です。
本作では、直訳調ながら日本語訳も付きました。攻略にも物語の理解にも不都合はありません。
物語の基本は、店や顧客を訪ねながらフラグを立てること。途中には人形を修復するミニゲームもありますが、操作はすぐに分かるでしょう。ゲームオーバーもありません。
話を進めていくたび、物語は不穏な雰囲気を漂わせていきます。最終的な結末は3種類。どれもハッピーエンドとは程遠い結末です。
攻略法については割愛いたします。1つのENDは、セリフ通りに進めていけば到達できますし、それ以外のENDをたどるヒントも、結末後に分かりやすく教えてくれるためです。
果たして、小林と幼馴染と人形の真実は何なのでしょうか。3ENDのコンプリートでも1時間程度で到達できる物語です。
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ジャンル [ コズミックホラーADV ] 作者 [ ドスバギイ さま ] 容量・圧縮形式 [ 63MB・ZIP ] 製作ツール [ WOLF RPGエディター] 言語 [ 日本語 ] 配布元 名状しがたきUFOの謎
私立探偵・
稲荷坂 鎮 。彼は、奇妙な行方不明事件に巻き込まれた妹を探すため、警官の地位を捨てて各所を嗅ぎまわっていた。当然ながら、今まで結果が出たことはない。
ある日、彼は夢の中で「ハワード」と名乗る子供と対峙する。ハワードは鎮にゲームを持ちかける。「何をしてでも生き残ること」というゲームを。
そのゲームを受けた瞬間、鎮の人生は一変する。
警官時代の先輩に頼まれ同居することとなった少女・玄 。高い観察力と記憶力、そして大いなる態度を持つ玄は、鎮の持っていたミステリーサークルの記事に注目する。
現場に向かった2人を待っていたのは、想像以上の奇妙な事件だった。草木が「枯れている」ミステリーサークル、周辺住民にも行方不明者が出ていること、只者ではないことを、2人も感じていた。
そんな2人を待っていたのは、奇妙な呪文の書かれた羊皮紙、そして、「宇宙人」としか形容できない奇妙な怪人であった。触れれば人体を灰と化すその怪人から、鎮と玄は逃げ切れるだろうか。
本作の舞台は1970年代。ネッシーの死体事件、ビッグフット、そして本作のモチーフとなったロズウェル事件といったオカルトが全盛期だった頃。本作は、そのオカルト事件とコズミックホラーを結び付けたシナリオになっています。
本作の特徴は、セピア調に彩られた世界観。前作「狂骨」と同じく、怪異が現実と結びつく世界を描いています。
2時間近くかかる「狂骨」と比べても、本作はコンパクトにまとめられています。先述した「『宇宙人』としか形容できない奇妙な怪人」が登場するのがストーリーの後半…というと、どれだけ短いかが分かるでしょう。
謎解きとしても追いかけっことしても、難所となる箇所はほとんどありません。GAME OVERとなる箇所はありますが、その場合もあからさまなヒントが出る仕組みになっています。本作は「Case1」と名付けられたとおり、かなり謎の残された終わり方をします。ただ、その続編がいつ出るかは分かりません。
作者・ドスバギイ氏は、現在、次回作である「磯撫で」の製作を進めています。こちらは、現在公開されている公式ページを見ての通り、「狂骨」の続編となっています。
どうやら、ドスバギイ氏は2つのシリーズを並行して進めるつもりのようです。
大正時代を描いた「狂骨」シリーズ、昭和70年代を描いた「Idiocy Game」シリーズ、どちらもドスバギイ氏のレトロなものに対する愛と執着が存分にあふれた作品になっています。
どちらも、次回作が楽しみですね。
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ジャンル [ ワンマップ探索ホラー ] 作者 [ ピタカ さま ] 容量・圧縮形式 [ 34MB・ZIP ] 製作ツール [ WOLF RPGエディター ] 言語 [ 日本語 ] 備考 [ ふりーむ! ワンマップフェス4 参加作品 ] 配布元 滅びは、薔薇の香りに包まれて。
少女・イノリは、教会の庭園で目覚める。しかし、周りの様子は暗く廃れていた。
目の前には見覚えのない朽ちた石碑、周囲のほとんどは暗闇に包まれていた。
その中にあってなお、イノリのお気に入りである薔薇の庭園は美しいままであった。
その中でイノリは何を思うのだろう? 親代わりである神父に助けを求めるのか、それとも、神父の依頼のまま薔薇摘みに向かうのだろうか。本作は、1マップ・10分程度で完結する短編作品です。しかし、そこは「螢火の庭」という人気作を作り上げたピタカ氏。短編ながらも、そこに込められたホラーと悲劇はストレートに伝わってくる作品になっています。
ゲーム自体は単純なフラグ立て型探索ADV。イノリを追いかけてくるモンスターも、デストラップも存在しません。その代わり、ストーリーがイノリを、そしてプレイヤーたる我々を襲いに来るのです。
ストーリーを進めるにつれ、イノリがこの舞台に立った理由、そしてこの舞台の真相が明らかになっていきます。ENDは、イノリが見た真相の個数に従い、3つに分かれる仕掛けになっています。
果たして、イノリの、そしてこの舞台の真相とは何なのでしょう。それは、雰囲気すらこの文にしたためるとネタバレとなってしまいます。10分程度で楽しめる短編です。ぜひ、皆様ご自身の目と耳で堪能してください。
なお、真相を探るためのオブジェクトは、1つずつ、各所に散らばっています。また、怪しい箇所だけは見つかっても、特定のアイテムを持っていない限り起動しないイベントもあります。「隈なく」探索すること、これが本作の唯一にして最大の攻略法です。
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ジャンル [ 探索ホラー ] 作者 [ Lydia さま(製作) ]
[ Nurikabe さま(日本語訳) ]容量・圧縮形式 [ 411MB・自己解凍EXE ] 製作ツール [ RPG Maker VX Ace ] 言語 [ スペイン語・英語・中国語・日本語 ] 配布元 不思議で怖い、本の世界。
アリアは「本の虫」を自称するほどの本好きの少女。今日も行きつけの図書館で、取り寄せてもらった本を読み漁っていた。楽しみにしていた本を読み込んでいると、いつしか眠り込んでしまう。
目覚めた先は、すでに夜…いや、図書館の様子は昼とは打って変わって不気味になっていた。本来の入り口は固く閉ざされ、怪しい隠し扉まで現れる始末。
隠し扉をくぐった先には、本が歩き、語り掛ける不思議な世界が広がっていた。
コメディ、おとぎ話、ラブロマンス、ホラー…目くるめく本の世界は、時にアリアに道を開き、時にアリアを殺そうとする。一体この世界は、アリアの何なのだろうか。
本作は、元々スペイン語で作られたゲームを日本語訳にしたものです。邦訳の言い回しも、ゲーム内容自体も、日本人である我々にも違和感なくプレイできます。それ故にホラーもダイレクトに伝わってくる作品になっています。
謎解きの難易度も程よく、また、言語の壁が謎解きの邪魔にならないよう、原作・邦訳両方面から考えて作られています。導線…謎解きの順番も一本道に解けるように考えられていますが、問題はマップが意外と広大なこと。中断して時間を置くと、どこの謎解きが次に解ける場所なのか忘れてしまうことさえありました。
プレイ時間は2時間ちょっとなので、時間を見つけたら一気にクリアするのをお勧めいたします。エンディングは3通りあるとゲーム説明にも記載されていますが、この3通りのエンディングは全て終盤で分岐します。分岐に関わるイベントは、再三ゲーム内で重要なイベントであると言及されるため、直前のセーブは分けておきましょう。
物語に関わるのは、アリアだけではありません。アリアの苦難の物語をナレーションする「ナレーター」を名乗る女性、アリアの命を狙う少年・レウィン、そして…様々人間や本やトラップがアリアの旅路に関わってきます。
果たして、この世界の真実、そしてアリアの真実は何なのでしょうか。それは、3つあるENDで解き明かされます。
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ジャンル [ サイドビュー探索ADV ] 作者 [ きののべ倉庫 さま ] 容量・圧縮形式 [ 1.3MB・ZIP ] 製作ツール [ RPGツクール2000 ] 備考 [ 12歳未満の方はプレイをお控え下さい (性的表現) ] 言語 [ 日本語 ] 配布元 悪魔を頭に載せて、幼き者は塔を昇る。
村はずれにたたずむ塔…そこには不老不死を求め、村人を拉致殺害してきた魔女がいるという噂があった。
そこを訪ねる幼き者・カホロ。カホロは自らの目的のため、その魔女の研究成果を会得しようとしていた。
しかし、塔には人の気配は何一つなかった。挙句の果てに、カホロは腐っていた床板を踏み抜き、地下室に落とされてしまう。
地下室で出会ったのは一体のぬいぐるみ。そのぬいぐるみには、かつて魔女の使い魔だった悪魔が眠っていた。
害意の無いその悪魔と意気投合し、地下室から脱出するカホロ。カホロはそのぬいぐるみに「テトラ」と名付け、彼女と共に探索を再開する。
テトラもまた、自らを捨てた魔女の真相を、変わり果てた塔の様子を探るため、探索に協力するのであった。本作の特徴は、やはりドットで描かれたマップとキャラクターの美しさです。そして、そのグラフィックで描かれた悲しくも希望のある物語です。
カホロもテトラも、そして魔女も、序盤の印象では分からない「何か」を抱えています。7階ある塔を探索する中で、真相が徐々に明かされていく仕掛けになっています。
探索は、単純にあちこちを調べて鍵を見つけるだけ。謎解きも追いかけっこも入っていません。ストーリーを追うことのみに注力した作品になっています。
ストーリーは読み進めるだけで10~20分で読了できます。本作で気を付けなければいけないのは、「本作品のプレイ動画の投稿、および生放送などは一切禁止とさせて頂きます。」と注意書きにある通り、慎重に扱うべき表現が含まれる作品だということです。
本作「カホロとテトラ」には含まれないものの、他の作品には同性愛表現の見られるものもあります。ただし、それはあくまで「匂わせる」程度。「絆」を描くための一手段と見ておきましょう。
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ジャンル [ 脱出アドベンチャー ] 作者 [ ひんじゃくごりら さま ] 容量・圧縮形式 [ 30MB・ZIP ] 製作ツール [ WOLF RPGエディター ] 言語 [ 日本語 ] 備考 [ 15歳以上推奨 ] 配布元 首だけ女(自律歩行可)の恐怖…
首無し馬にまたがる異形の旅人・
國門國 クチル。彼女は、とある森で異形の「食事」現場に居合わせる。
もちろん、同じ異形であるクチルに「食材」に対する慈悲も、「料理人」に対する怒りも無い。
しかし「料理人」は、あろうことかクチルにまでその刃を向ける。むなしく首を飛ばされてしまうクチル。
首だけでも生きられるクチルだが、体が無いのは不便でしょうがない。襲撃者に奪われた体を取り返すため、クチルは襲撃者の館に突入するのであった。本作の作者・ひんじゃくごりら氏は、以前に「かたつムリ!」で取り上げました。
本作「五番目の首」は、「かたつムリ!」では垣間見せる程度であったクリーチャー造詣を前面に押し出し、異形性を脱出ゲームのカギにした作品です。
館内で手に入る「アイテム」は、鍵やスイッチばかりではありません。点在する棺の中には、同じく館に捕らわれた異形たちの身体が安置されています。その身体を「借りる」ことで、クチルはトラップ満載の館の謎を解いていくのです。
最も使いどころが多く、それ故に最も使いどころが難しいのが上画面の「鋸の身体」と「骨の身体」。どちらもCキーを押すことで専用のマップに移動できる能力を持っています。
特に、鋸の身体で移動できる吹き抜けや落とし穴は、意外な所に入っています。わたくしの初見プレイでは、落とし穴だった箇所を1つ見落としていたために10分ぐらい詰まっていました。
また、本作では意外と一発死トラップがひしめいています。浮かばないと進めない針山の上に、浮かんでいると吹き飛ばされてしまう突風が吹き荒れている…など、複数の身体を使い分ける謎解きも多くあります。
血も首も飛ぶハードな世界観ながら、クチルを初めとして登場人物たちはユルい性格ばかり。シリアスになりすぎずに楽しめる脱出アドベンチャーです。
途中の謎解きで詰まったとしても、プレイ時間は1時間未満。もしもの場合は、作者ブログにヒントもあるため、そちらをご参考ください。
なお、本作は「中盤の謎はどれからでも解ける」タイプです。もし、ワープポイントの番号に抜けがある場合は、どこかの部屋を見過ごしています。隅々まで探索しておきましょう。
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ジャンル [ 脱出ホラーアドベンチャー ] 作者 [ 夜雨ドッド さま ] 容量・圧縮形式 [ 30MB・ZIP ] 製作ツール [ RPGツクールMV ] 言語 [ 日本語 ] 備考 [ 15歳以上推奨 ] 配布元 知らない。私は7番目だから。
倉庫で目覚めた少女・ナナ。全身を赤い血で染めた以外は、プロフィールの全くわからない少女。
「ナナ」という名前も、カメラの向こうで語り掛ける男からそう呼ばれただけである。
ナナは、案内役に導かれるまま、無機質な施設からの脱出を図る。
血に染まった道を歩き、血に染まった死体を枕にし、血に染まった鍵で道を切り開く。
果たして、ナナと案内役は何を思うのか。彼女の声も、彼の想いも、モニタの前の我々には届かない…。
本作「血染めのナナ」を作り上げた夜雨ドッド氏は、「Efframai」「ライトを消すだけの高時給な宿直」「Myosotis」など、ショートなホラー作品で有名な作者です。
1時間以内の手軽な内容ながら様々な考察ができる展開が、実況プレイ界隈を初め、数々のファンを作り上げた作者です。
本作「血染めのナナ」も「1時間以内の手軽な内容ながら様々な考察ができる」作品です。3つあるENDは、すべて最終盤で枝分かれしますが、そこに至るまでの探索で、ナナと案内役に何が起こったのかしっかりと考察していくことが、本作にのめりこむために必要となります。それほど途中の展開も、ENDそのものも、語られる要素が少ない作品になっています。
なお、本作は「逃走無し」とReadMeに記載されていますが、GAME OVERとなる要素は入っています。中盤のNo.6…宇宙人のような恐竜人間のような謎の生命体に見つかると、逃走の余地なくパチキ殺されます。移動ルートさえ分かれば簡単に回避できますが、それでも初見殺しであることは間違いありません。中盤のカードキーを集めるシーンでは、セーブは細かくとっておくようにしましょう。
GAME OVERになる箇所さえ気を付ければ、ENDに行くまでにはそれほど苦労はかからないでしょう。道はほぼ一本道であるためです。ただし、「さらなる真相」を探るためには、ちょっとした寄り道と、ちょっとした知識を要求されます。そのためのヒントも、部屋のオブジェクトを隈なく調べていけば自ずとわかる仕掛けになっています。
何度も言いますが、本作を初めとして夜雨ドッド氏の作品は「色々なオブジェクトを読み込むこと」が楽しむコツです。能動的な探索をお勧めします。その結果がどうなるかは、責任を持てませんが…。
- (補足)
- 2023.06.06:現在の最新バージョンはver.2.01です。高解像度化などのリメイクに伴い、ゲーム画面が大幅に変更されています。
- 2023.06.28:リンク先を変更。BOOTHでダウンロード版、plicyでのブラウザ版がプレイできます。
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ジャンル [ 探索ホラー ] 作者 [ 文斗 さま ] 容量・圧縮形式 [ 82MB・ZIP ] 製作ツール [ WOLF RPGエディター ] 言語 [ 日本語 ] 備考 [ 「幻影トリロジー」シリーズ 第一部 ] 配布元 「まぼろしさん」…って知ってる?
事件の始まりは他愛もない一言だった。
行動力旺盛な女子高生・安藤 蘭は、ミステリ研究部として、日夜怪しい噂を探求しては、友人の桜井 令士と部員の刀城 亜耶を巻き込んでいた。
ある日、ランが探り出したのは、町のはずれにある古屋敷「黒影館」と、そこに出没する「まぼろしさん」の噂であった。
レイジとアヤだけでなく、彼らの友人とクラスメイトも含めた計7人を巻き込んで、黒影館での肝試しが始まった。
半信半疑であったレイジも、「まぼろしさん」を求めるメンバーたちの目的を知るにつれ、そして、黒影館に自分の親同然の知人が住んでいたという事実を知り、興味と不安が増していった…。
そして、本番の交霊儀式を行った瞬間、悲劇は始まる。
ある者は内側から爆破されたような死体となり、ある者は怪物と化してメンバーに襲い来る。あまつさえ、出入り口は封印され、外部との通信も効かない。
これは只の噂話ではない。そう悟ったレイジは、脱出のため、悲劇の真相を探るため、そして、ほとんど失われた自らの記憶を探るため、黒影館の探索に乗り出すのであった。本作の作者、文斗 さまは多作な作家です。本作「幻影綺館」から始まり、「幻影鏡界」「幻影回忌」と続く「幻影トリロジー」シリーズ、本作の前史となる「幻想シリーズ」4作品、単発作品の「エンケージ!」の8作がダウンロードできます。
2015年から今年まで、コンスタントに作品を作り上げただけあり、本作及び「幻影トリロジー」シリーズは、深い物語とそれを阻害しない適度な謎解きで楽しませてくれます。
実をいうと、私は「幻想シリーズ」を発表直後にプレイした経験があります。しかし、「幻想シリーズ」は謎解き・追いかけっこ共に難易度が高く、配布直後で攻略情報が無かった時代では二進も三進もいかず、積んだままになっていました。
「幻影綺館」からの「幻影トリロジー」シリーズに触れ、改めて「幻想シリーズ」も再開することになりました。むしろ、そんな難しい「幻想シリーズ」を経験してたからこそ、「幻影トリロジー」シリーズはプレイしやすさと退屈しないストーリーテリングを両立できたのでしょう。
先ほども言いましたが、「幻想シリーズ」は「幻影トリロジー」の前史になっています。とはいっても、その関わりは「幻想シリーズの事件や現象に軽く触れる」程度。「幻影トリロジー」シリーズをプレイしてから「幻想シリーズ」を攻略しても、重大なネタバレを事前閲覧してしまう心配はありません。
「幻想シリーズ」で起きた現象を知っていると、「幻影トリロジー」でニヤリとするような演出があるとだけ言っておきます。ただし、「幻影トリロジー」シリーズをプレイする場合には注意が必要です。「幻影トリロジー」シリーズに限っては、必ず幻影綺館→幻影鏡界→幻影回忌の順にプレイするよう、心がけてください。幻影綺館のストーリーを最後まで知っている前提で、幻影鏡界・幻影回忌のストーリーは作られているからです。
どれが先か覚えておくために、ゲームフォルダに連番を振っておきましょう。私は「幻想シリーズ」で連番を振るのを忘れていたために、時系列がこんがらがってしまい、プレイ意欲が減退する一因となったほどです。
「えっ、そこまで警告する何かが『幻影綺館』にあるのか!?」と思った方は、是非「幻影綺館」からプレイしてください。単体でのプレイ時間は1時間少々。END分岐もほとんどないため、物語に没入して楽しめる作品です。
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ジャンル [ 探索ホラー ] 作者 [ 黒猫風船 さま ] 容量・圧縮形式 [ 414MB・ZIP ] 製作ツール [ RPGツクールMV ] 言語 [ 日本語 ] 備考 [ 15才以上推奨(性的表現/バイオレンス) ] 配布元 憧れのお姉さんはいずこへ…そして、何者!?
中学入学を間近に控えた少年・ゆうき。しかし、彼の顔は暗かった。この大事な時期に彼の両親は離婚調停で忙しく、彼は田舎の祖母の家に預けられることになったのだ。
祖母や村の人たちとすぐに打ち解け、美人の巫女や謎めいた白髪の少女・ウタとも知り合い、まるでギャルゲーのような展開に思えた。
だが、本作はホラーである。
明くる日、村の住人である小説家が変死、そして、祖母も急病で入院することとなった。
更に明くる日、打ち解けたばかりの友人であるマサヤまで変死体で発見された。
そして、怪異の魔の手はゆうきにも…。
相次ぐ事件で憔悴したゆうきは、青い花の咲く幽世に迷い込む。そこには、黒い影となった亡者、そして半身が影のように溶けた小説家とマサヤがいた。
幽世を知るウタから「お前は毎夜この幽世に誘い込まれる。脱出するためには、現世で死者のゆかりの品を集め、死者を成仏させねばならない」というアドバイスを受ける。
果たして、ゆうきは死者となった友人たち、そして自分自身を救うことはできるのだろうか!? そして、ゆうきが幽世に誘われたと同時に行方不明となった巫女の運命と正体は!?本作は、RPGアツマールにて掲載された頃から注目していた作品です。以前に取り上げた「けもののうた」と同じ作者と知ったのは、本作をクリアした後でした。
「けもののうた」と見比べると、画力は確かな向上が見られます。そして、「けもののうた」の特徴であるキャラ…特に女性キャラの個性が立ち、シリアスと両立しているストーリーは本作でも健在です。
本作はRPGツクール製となっています。ナンバーキーなどの謎解きはありませんが、その分、ゲーム性のほとんどは亡者との追いかけっこになります。主人公の歩行速度が遅いため、難易度はかなり高くなります。
正直言って、ノーダメージクリアは絶望的なバランスになっています。「えっ、ライフ制!? ライフはどこで回復するの?」とお思いの方もいるでしょう。ライフの回復方法が、本作のやり込み要素かつEND分岐の重要なフラグとなっているのです。
本作は、現世で作ったお弁当を幽世に持ち込んでライフにします。お弁当はグレードアップするたびに、握り飯<サンドウィッチ<ナポリタン<豪華弁当の順に最大ライフが増えていく仕掛けになっています。
グレードの高いお弁当を作るためには、現世でのイベントをクリアして「生活力」を増やす必要があるのです。そして、お弁当作りに成功するためには、ミニゲームであるモグラ叩きで規定点数以上を稼ぐ必要もあります。
このモグラ叩き、意外と繊細な操作が必要です。RPGツクールMVのマップイベントを利用しており、約50ピクセル四方の歩行グラフィックを正確にクリックしないといけません。当然ながら、お弁当がグレードアップするごとにモグラ叩きの難易度も上がります。制限時間の減少、得点にならない花の追加、モグラの出現時間まで短くなっていきます。
先述の通り、幽世での追いかけっこは難易度が高く、初見では面白いようにライフが減っていきます。モグラ叩きの続きでマウス操作にしているなら尚更です。下手に低レベルクリアを目指さず、お弁当のグレードアップはしっかりやっておきましょう。
お弁当を作る台所にはセーブポイントがあるため、セーブしてからモグラ叩きに臨むよう心がけてください。本作には、「15才以上推奨」「性的表現/バイオレンス」な表現が多分に含まれています。それは、巫女のお姉さんとの「おねショタ」、ウタとの「ロリショタ」なものとは限りません。むしろ、真っ当な恋愛方面はかなり抑えめです。
果たして、この村に眠る凄惨な真相とは…1周なら1時間程度で終わりますが、全ENDコンプリートを目指すとなると、どれだけ時間がかかるのやら…。私は、「けもののうた」と同じく、本作もTrue ENDの方を先に見てしまったので。
- (補足)
- 2023.06.28:ゲームアツマールのサービス終了に伴い、リンクを変更。