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■ 大海原(おおうなばら)大海原(わだのはら)

大海原と大海原
作者 [ 海底囚人 さま ]
ジャンル [ RPG ]
容量・圧縮形式 [ 62MB・ZIP ]
製作ツール [ RPGツクール2000 ]
言語 [ 日本語 ]
備考 [ R-15指定 ]
配布元 ダウンロード先

大海原と大海原 大海原と大海原 大海原と大海原 大海原と大海原 大海原と大海原 大海原と大海原

レビュワーハマリ度グラフィック サウンド合計総合判定
ES 8 /10 9 /10 8 /10 103/120 B
DECOすけ野郎 9 /10 9 /10 9 /10
hoikoro 8 /10 10/10 9 /10
赤松弥太郎 7 /10 9 /10 8 /10

 《 ES 》  ハマリ度:8 グラフィック:9 サウンド:8

大海原よりも深くて広い因縁、戦記、そして愛。

今回のイチオシ作品「大海原と大海原」は、フリーゲームの展開と同時に、コミック版も展開されています。
コミック版は、現在(2016.02時点)では、第9話まで連載されています。いやぁ、ファンシーなキャラがドンパチやってますねぇ。鮫吉ったら、この時点で不憫を一身に背負っていますよね。
…そんな印象でストーリー後半まで行くと、本気で驚愕したのではないでしょうか?
こんな急転直下な展開…!? と思って、作者の過去作を漁っていたところ、一番下に燦然と輝く「モゲコキャッスル」の文字。…それで全てを納得しました。
本作のR-15要素は、ほとんどが後半のどんでん返しに集中しています。画面はまっかっか。上手くぼかされているものの、そのまま描写したら色々な意味でR-18なシーンさえ存在しています。
これ以上言及すると、確実にネタバレとなります。ぜひ、自らの目でご覧下さい。

RPGだと、ストーリーを進めるためにザコ戦闘を繰り返さなくてはいけないから面倒くさいって!? それは、本作では当てはまりません。
本作のザコは決定キーで話しかけない限り戦闘にはなりません。また、難易度的にもレベル上げは必須ではありません。イベントで必ず発生する戦闘だけでも、充分に戦える難易度設定になっています。
実力が不安な場合や、あまりにも進路の邪魔になる場合を除いて、雑魚は回避するのがセオリーです。最初の敵だと、どう見ても「海のなかまたち」なので、良心もちょっぴり痛みますし。
※ ちなみに、ザコ戦闘数はEND分岐には関わりません。普通に海のなかまたちいぢめに勤しんでも、特に咎められることはありません。

そうして、数々の戦闘とクエストを潜り抜けるにつれ、どんどんストーリーはR-15方面に突っ込んでいきます。あまつさえ、本作はマルチENDです。救われないENDは本当に救われません。
ただし、展開のやり直しは容易です。END後に分岐地点まで巻き戻せるためです。コレは、最終ENDも同様です。…と言うか、最終ENDは、ノーマルENDを全て見てからでないと分岐に入れません。
ノーマルENDはどれも「真ENDを見ないと気が済まない」展開です。私も、最終展開は一気に読み進めてしまいました。

本作の本番は、真END後にあるといっても過言ではありません。真END後にストーリーをもう一度読み進めれば、「初見では『?』と思っていた描写の意味が理解る」仕掛けになっています。
ぜひ、真ENDクリアまでは見てみましょう。

 《 DECOすけ野郎 》  ハマリ度:9 グラフィック:9 サウンド:9

ふわふわ~(ちょっと残虐なシーンもあるから注意してね)

イチオシの方ではお久しぶりです。(昨年6月以来)
去年、一昨年と二年連続でイチオシ1本のみ、というのは沽券に関わることなので
今年は時間を作って積極的に投稿していきたい。おそらく。

前の作品がヘヴィーだった分、ちょうどリハビリには良いゲームですな。
柔和そうな内容だし、それでいて暴力表現も随所にあるらしいそうだし。
やりがいがありますな。っつーわけで始めていきましょう。

【物語は海から始まる】

むかしむかし そう遠くはないかもしれないむかしのこと。
大海原(わだのはら)という魔女と、3人の使い魔がいました。
かもめのメモカ、イルカのドルピー、そしてタコのフカミさんという、ゆかいな仲間たちと外の世界でいろいろ見てきました。

▼ドルピー、最後まで男性だと思っていたよ。
▽女性だったのね。

しかし、故郷である海底町に戻ろうとした際に、大海原のかつての使い魔、鮫吉が邪魔をしてきます。
そして、大海原へ冷たく「この海から立ち去れ去れ」と警告してます。
今の使い魔3人(特にフカミ)はやたらと好戦的ではありますが、困惑し、悲しげな表情を見せる大海原。
過去に何があったのでしょうか?

▼このあと、ああいうことになるとは・・・ねえ。
▽この時は思いもしなかった。

広い世界を見てきた大海原一行は、元の住処である海底町へと戻ります。 街の人に歓迎される大海原たち。しかし、挨拶を一通り終えたところで 町の東の方から大きな音が聞こえてきました。 大海原たちは、町の東、星の海へと向かいました。 そこにいたものは・・・。

▼こいつがキーマンになりそうな気がする。
▽あー、そいつ仲間にはならないんで
▼ちょっと期待したのに。

大海原たちは、お城に行くことになりました。何故このようなことが起こってしまったのか?
今よりも昔のことでした。大海原の父である大魔導師は、海底国の危機を止めるため、大いなる力を利用し、それを封印しました。
しかし、何者かの手によって、この世界にある7つの封印は壊されてしまった。
そして、その封印の石がある祠は「力があるもの」しか入ることができない。それでは、誰が壊したのか?

【ちょっとだけ戦闘システム紹介&その他】

大海原たちは、洞窟でこうもりを倒し、レベルアップに励みました。

▼このゲームの戦闘はおまけ程度で、接触して決定ボタンを押すことで初めて敵と戦います。
魚介類を倒すのも、なんだか嫌だし、魚から程遠いコウモリを狩るのがレベル上げにちょうど良いですね。
経験値も多めですし。後半で出てくるうさぎもいい狩りの対象ですので。
▽オート戦闘をしながら、ジーンピクシブで連載中の漫画版を読みつつ進めましょう。
レベルは30くらいあれば、たいていの魔法は覚えますし、戦闘も楽に進めるようになるので、特定の場所で集中的に狩るようにすればより効率的ですね。
▼うーん、この時点ですでに伏線を張っていたのか・・・。あの野郎・・・。

大海原は、時折鮫吉やうさぎ兵と対峙しながらも、壊れた7つの石を封印しました。
良かった良かった。しかしここで話は終わらない。まだ、大きなことが解決されていませんし、肝心の「違和感」の正体も明らかになっていません。

石を封印し、城に集まり宴をすることになりました。しかし、帝国の侵略はすぐそこまで迫っていたのでありました。

【蒼き海に迫る最大の危機】

そして、ここから先は普通に書いていたらネタバレになってしまうので、リスト形式にしました。

【総評の代わりに】

ギリギリまで粘って書いたら、総評的なことが何も思いつかなかった。 代わりに、日本製ゲームを英訳に翻訳する際にどのようなことをやっているか? ということについて書こうと思います。

vgpersonさん(トップページからGamesをクリック)は、驚異的なペースでRPG/ADVを英訳し、世に送り出していたのですが、いろいろと海外に適応させるために苦労されていたみたいです。
例えば、「日本だとR-15だけど、その他の国だと18禁になるくらいの内容はある」と書かれていますね。
詳細は、おもいっきしネタバレになるから書けないですが、他の国はよりゾーニングが徹底されていますね。

あと、海外版では名前や台詞が変わっています。
例えば、しゃけさんはSalになっています。「Salmonはなんか違わなくない?」ということでそれを略したものになったそうです。

仇討はVendetto。復讐のVengeful、抗争を表すVendettaに近いニュアンスの名前になりました。

それから、海底町のクリオネの台詞「クリクリとしたお姉さん?」は"Cli one? Cli two?"。
ちょっと説明しますと、このまま英訳しても伝わるわけがないので、クリオネ(Clione)がOne(一匹)なのかTwoなのか、という内容になったと。翻訳って難しいですよなあ・・・。

 《 hoikoro 》  ハマリ度:8 グラフィック:10 サウンド:9

海を守る

今回は【大海原と大海原】というゲームをプレイいたしました。

本作品はRPGの形を採用していますが、魅力はやはり物語、そしてイラストにあると言えるでしょう。
海の魔女である主人公が海の世界を守るために様々な場所を巡り回り、封印を施していく。
その場所先々で出会う奇妙な魚たち、そして昔親しかったはずの鮫吉が何度も主人公の前に立ちはだかる。
そして全ての封印を施した時、何が起こるのか…

濃密で深く考えさせられるストーリーであり、主人公は幾度も沈黙し、悩み、答えを探します。
その度に挟み込まれる非常に多い数の一枚絵、多種多様な可愛いキャラクターとシンボル。
それらがこのゲームの"絵本"のような雰囲気を増長させてくれます。

つまるところ遊ぶという意味でのゲームというよりも、この物語を伝えたいがためにゲームという形に収めた、というように感じます。
それ故にプレイヤーの感情に響かせる面白い物語でした。

記述すると激しいネタバレを防ぐことが出来ないので、書き込むことが出来ないのですが。
特に後半の展開は素晴らしく、それまでの雰囲気と流れから油断していたところをバッサリと斬り捨てられたような衝撃を受けました。
それまで語られなかった鮫吉についてが説明され、そこからの鮫吉の株の上がりっぷりはまさにストップ高という感じでしたね。
ただいつも地面に突っ伏してるイメージを最後まで払拭出来たか?と言われれば頷きかねますが。

ただ、やはりこうなってくると気になってしまうのが薄いゲーム性と、それに伴う面倒さです。

確かにシンボルエンカウントかつこちらから触らないと戦闘にならないのはストレスになりにくい仕様として成り立っていました。
また、戦闘時に挟まれるカードの格好良さは感動しました。あれは本当に素晴らしい。

ですが、正直な所、戦闘というシステムを使う必要性が乏しいゲームでした。
ボス陣が特殊な攻撃をほとんどしてこずただ殴ってくるだけ、しかも殆どの状態異常が効く為、一切の緊張感がない。
物語が主軸なので、弱いことは悪いことではない為、戦闘のバランスはこのままでも全く問題は無いのですが。
ボスが特徴に合った攻撃をしてくるとか、味方勢のようなカットインが入るとか、そういうのが有っても良かったと思います。
主人公たちの攻撃手段も基本的にギャグなので、シリアス展開でいささか邪魔になっている空気もありました。

また、道中がかなり長いことも気になりました。
これは OFF でも思ったのですが、物語が主軸のゲームにおいて長い道のりは物語の深刻性や入り込んでいる気持ちを薄めてしまう欠点になってしまうと思います。


・ハマリ度:8/10

まさに絵本と言うもので、漫画や小説的に進行すれば完璧だといえるが。
少々ストレスになる部分、億劫だと感じる場面が存在したため、ハマり度と言われれば少々下げた。
これは個人の感想だが、主人公の沈黙がとても多かったのもやや気になった。
葛藤なので当然必要なのだが、気になった点として挙げさせていただく。

・グラフィック:10/10

これもまた素晴らしい、最近グラフィックは素晴らしいしか言ってない気がするが。
本当に絵の総数が多くどれも非常に可愛らしい、文句を強いて言うなら最後の最後になるまでフカミの性別がわからなかったこと位だろうか。

・サウンド:9/10

特別邪魔にならない適切な音楽がそろっていた、主人公のオカリナは意外にも吹く回数が少なく、それ故に印象に残る使い方だった。
サウンドとは微妙に違うかも知れないが、最後のエンディングの演出は鳥肌が立った。


このレビューを書く前におまけページを読んでしまったことを割りと心から悔やんでいます。イメージ変わっちゃうだろ!
あの内容を評価に入れてしまいたい気持ちで一杯ですがココは歯を食いしばって自重致します、しゃけさん人気者やね。

ロブコさん一番可愛いのに人気無いのか…

 《 赤松弥太郎 》  ハマリ度:7 グラフィック:9 サウンド:8

海のように大きな心でみつめてる

「カラオケ行きたいわ~」
「パスタもおいしいけどさぁ、最終的にラーメンが恋しくなるわけよ」
「目には目を、歯に歯を、エゾジカにはエゾジカを」
「本を読んでるといつの間にか寝てるのよね」
「トマト食べたいわぁ。わかめと一緒に」
「ピッピッピ~~♪」
「哲学中です」
「最近太ったのよ、食べすぎかしら……かしら肉は好きよ」
「ひよこって可愛いわよね。触りたい!」
「お茶漬け……七味を入れるのよ!」
「愚かな。お茶漬けには浅漬けを添えるのだ」
「でも……お茶漬けには梅干よね?」
「いえ、お茶漬けはそのまま食べるのです」

 ん? とうとう狂ったか? 失敬な。これはボクの狂い方とは違うでしょう。
 本作は、大海原さんが生まれ故郷の町へと向かうところから始まります。
 この道中がかなり長い。町に着くまでが実質のオープニングと考えれば、20分くらいはかかるでしょうか。
 その長い道中の先、親切にも鮫吉さんが「絶対に戻るな」と念押ししてくるこの町が、一体どんなものかと身構えて乗り込むわけですよ。
 そしたらこんな、あまりにもユルいモノローグを垂れ流す住人が、百人近い単位でお出迎えしてくれるんですね。
 もうすっかり出鼻をくじかれて、戦意をそがれてしまって。
 どうレビューしてくれよう、とあまりに肩肘張ってプレイを始めちゃってた自分に気がついたのでした。

 いや、しかし、このユルさは狙って出せるものではありますまい。
 百人もこんなユルユルな台詞に囲まれると、ひとつひとつは無秩序でも、全体を見るとその中に秩序があるような居心地の良さを覚えるのです。
 まるで作者の思考がそのままあふれ出て、その中に浸っているかのような錯覚を覚えても、致し方ないことなんですよ。
 このユルさは、別に町の中だけに限った事じゃありません。

海水浴を楽しむ者
 こんな敵に出てこられて、ぶちのめそうとか思わないでしょ?
 「ごめんなさい私が悪うございました、どうぞ引き続きお楽しみ下さい」って思わず逃げ出しちゃいますよね?

 本作はシンボルエンカウントなんですが、接触しても戦闘になりません。話しかけないと戦闘にならないのです。
 これは前半のユルユルな敵だけではなく、後半の明らかに敵対関係にある相手であってもそうです。
 アクションが苦手なボクにとってはまさにうってつけの、どうして今まで誰もそれをやらなかったのか、という親切設計。
 その中で、のんきに海水浴を楽しんでいるおさかなに、わざわざ話しかけてまで攻撃するなんて、完全にギルティじゃないですか。
 そんなことを大海原さんにやらせたくないでしょ皆さん? ボクはやりましたけどね。

 このユルい雰囲気があるからこそ、後半急転直下からのグロ展開が映えるのです。
 暖かい、帰るべきホームグラウンドだった海底町がどのような変貌を遂げてしまうのか、皆さんもどうぞオタノシミに。
 わが同好の士の皆様も、きっとご満足いただけると思います。

 物語としてはとても満足のいくものでした。たっぷりと満喫いたしました。ごちそうさまでした。
 しかしゲームとしては、と考えてしまうと、やはり評点の通りの評価となってしまいます。

ハマリ度 : 7 / 10
 残念ながら、RPGとしての面白味は非常に乏しい。敵はボスも含め直接攻撃しかしてこないから、装備に工夫の余地は無く、町も一つしか無いので金の使い道もない。
 メッセージ枠がストーリーにあわせて変化するのはいいが、設定が漏れることも度々あり、過去回想編で城に戻ろうとすると、現代編に戻ってしまい進行不能になる不具合にも遭遇した。上に挙げたRPGとしての魅力はあるものの、総じて見れば、最初から漫画として表現するべき物語だったと言わざるを得ない。
グラフィック : 9 / 10
 シンプルで魅力的な線。要所要所のアニメーションが映える。
 メッセージ枠切り替えの設定漏れは残念だがしかし、メッセージ枠自体は大海原のイメージに合わせて見やすくわかりやすく作られている。
サウンド : 8 / 10
 新旧織り交ぜつつ、イメージには統一感を持った選曲。出典元もわかりやすく整理されているのが良い。

 もうバレバレだから言ってしまいますと、ボクが好きなキャラはラスボスさんとフカミさんでした。ごちそうさまでした。

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