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■ B.B.ライダー

ストーリーを追うたび、真の姿を現すニトス君。
作者 [ ゴリッチュ さま ]
ジャンル [ ギャグ+感動のRPG ]
容量・圧縮形式 [ 35.4MB・自己解凍EXE ]
製作ツール [ RPGツクール2003 ]
ダウンロード ダウンロード先

(補足)
2016.04.17:DL先をVectorに変更 (黒樹 知 さま、情報ありがとうございます。)

全裸と思ったら、今度はパンツ姿なニトス君。 烏賊に惚れられるニトス君。 悪魔合体を想像するニトス君。 公に見せられないニトス君。 指名手配されるお嬢。 メイド姿で潜入する敵組織(♂)。

レビュワーハマリ度グラフィック サウンド合計総合判定
ES 8 /10 9 /10 9 /10 119/150 B
雨村津雲 7 /10 10/10 10/10
ckck 7 /10 10/10 9 /10
駄々甘 6 /10 6 /10 8 /10
赤松弥太郎 7 /10 8 /10 8 /10

 《 ES 》  ハマリ度:8 グラフィック:9 サウンド:9

涙した! ストーリーの巧みさと、システムの惜しさに。

■ ストーリー面

今回ご紹介する「B.B.ライダー」の紹介で触れられる点といえば、何を持っても、ストーリーの巧みさでしょう。
全キャラが、何かしらのギャグ的要素を持っており、彼らが織り成すドタバタ劇が楽しめる前半で、まずプレイヤーの心を捉えます。
しかし、物語は、主人公・ニトスの記憶が戻るにつれて、徐々にシリアス成分が増加していきます。その牽引力にプレイヤーは魅せられて、エンディングまで一気にプレイしてしまいます。
私もそうでした。今回の「B.B.ライダー」は、時間的都合をすっ飛ばして最終局面までプレイした久々の作品です。

最終局面のギミックは、絶対に予備知識無しで見てもらいたいので、こちらからは触れません。「B.B.ライダー」では、特に「衝撃」と言う楽しさを味わってもらいたい、そう私は考えています。

■ 戦闘面

…とは言っても、この「B.B.ライダー」、巧みなストーリーを味わうために乗り越えるべきRPG部分が、意外と難易度の高い代物なのです。EASYならば、経験値を稼げば、ゴリ押しで何とかなるレベルに、何とか収まっています。しかし、HARDにした場合、BOSS戦まで温存しなければならない「カード」を、たかがザコ戦で消耗しなければならない程です。
加えて、カード購入に使用する資本は、序盤のザコも最終面近くの強敵も一律1ポイント(=回復アイテム「金色リンゴ」1つに、敵キャラ3体が必要)なので、下手すると詰みます。

これを乗り越えるためには、とにかく自己を強化し、身一つで殺られる前に殺るように、成長が必要です。いわゆる経験値稼ぎ作業です。
私ことESは、経験値稼ぎは大好きなので、その点は問題ありません。ストーリー中に立ち寄れるフリーダンジョンでは、出口にいるボスを倒すと、ステータスボーナスが入るイベントもあります。その中で、我らがニトス君を、思うがままカスタマイズする楽しさもあります。

ただ、肝心の戦闘部分、自作システム、シンプル、なおかつ、「カード」を巧みに使う必要があるバランスなど、高評価に足るシステムであることは確かなのですが、何度も繰り返すと、どうしてもテンポ面の悪さが目立ちます。
ピクチャーの切り替え時のウェイト、戦闘終了後の数秒間のジングル(スキップ不可)、現実時間的には大したことは無いのかもしれませんが、プレイヤーの体感時間では、どうしても長く感じてしまいます。

■ 「戦闘+ストーリー=」面

本作のストーリー、それは巧みに練られ、ギャグとシリアスの緩急尽きせぬ怒涛の展開を見せる、「傑作」の名にふさわしいものです。
しかし、こと「ゲーム」と言う面で見ると、その巧みに練られた緻密なストーリーは、時に害悪となることもあります。
「ゲーム」とは、主人公=プレイヤーの指先と思考(志向・嗜好)が示した道筋に従い、切り開くようにストーリーが展開していきます。アクションにしろ、シューティングにしろ、格闘ゲームにしろ、RPGにしろ、プレイヤーはストーリーそのものよりも、苦心を乗り越えてストーリーを展開したこと自体に快感を覚えているのです。少なくとも私は。

「B.B.ライダー」最大の欠点は、ストーリーそのものに注力しすぎて、プレイヤーがストーリーを展開することにまで注意が向いていない点です。ドタバタギャグ中心の前半では、それほど気にならない…と言うより、「次はどんなネタが飛び出すのやら。」と言う楽しみにも繋がっていますが、シリアス中心になる後半では、どうしても気になってしまいました。
苦心を尽くし、カードを大量消費して倒したBOSSが、ピンピンしながらニトス君との戦いをプレイヤー介入領域の外で繰り広げる様をみていると、

「ちょっと待ってよ! 今倒したじゃない! オレが!」

…と言う思いがどうしても出てしまいます。
最も、これは「B.B.ライダー」だけの欠点ではありません。最近のストーリー面に注力した作品(RPGにすら限らない)全てが持つジレンマなのです。
しかし、この「B.B.ライダー」は、あまりにもストーリー構成が緻密なため、小説的なストーリーとゲーム性とのチグハグさが目立ってしまうのです。

ゴリッチュ さまの最新作「Zodiarc」がサウンドノベルとなったことは、ある意味正解かもしれません。作者様の緻密なストーリーが、ゲーム性とチグハグすることなく楽しめるようになっているからです。18禁ですが。

 《 雨村津雲 》  ハマリ度:7 グラフィック:10 サウンド:10

それは、戦うことに命を懸けた男の軌跡――

どうも、こんばんわ。
雨村津雲です、これで数回目のレビューとなります
HTMLの事をまだよく理解していないので文字だけとなりますが、最後までお付き合い頂ければ幸いです

さて、今回レビューさせていただきますのは

この激辛でも「4回」もレビューが届くほどの人気作
「B.B.ライダー」
をお送りさせていただきます。

注意として重要なネタバレがあるため見たくない方は

●ネタバレ注意!●
から
●ネタバレ終わり!●
の間は見ないことをお勧めします。

ハマリ度:7/10

一週目をプレイしている時はどっぷりはまれますが
二週目とかになるとやはり戦闘よりイベントが多いため飽きてしまう事も多いと思います。
このゲームはハマリ系・・・ではないので、判断が残念なところです。
でも・・・ツクール2003でよくやった!!

グラフィック:10/10

作者様の書き下ろしで、CGを出す時の演出もうまいの何の・・・!
詳しくは下記で

サウンド:10/10

OP、ED、中途EDに曲がついていることには脱帽しました。
曲のクオリティもいざしらず、ギャグの効果音なども笑いを引き立てる要因になっていると思います。

☆シナリオについて

実際の世界でも名前は聞いた事があるであろう、
過去の英雄「ジークフリード」が主軸となって物語は進みます。
他にも多数聞いた事があるであろう名前はあると思います。

英雄「ジークフリード」はロウリィ・ゴースにより未来の時代へと呼び出されます。
ロウリィ・ゴースは、シルバという男を倒してくれと英雄に半ば強制的に契約を交わします。
運命の因果か―、この時から運命の歯車は回り始めた。

かつての英雄が、1200年後の未来という場所で命を懸して戦う。
「英雄と呼ばれながらも、守るべき人を守れなかった男」は、どう動くのか。
その長いようで短い2ヶ月間が始まる―。

こんな展開で物語は始まります。
しかし、物語が進んでゆくにつれて色々な真実が明らかになります。
次々に新たな展開を迎えて物語は誰もが思いもしなかった局面に突入します。
これは間違いないと思います。
予想できない展開、其れがシナリオを引き立てる一つの要因なのかもしれません。

壮大に繰り広げられるストーリーでも、進むにつれてしっかりと物語と物語が連結されます。
思いもしなかったストーリーがつながっていく事には納得せざるを得ません。

しかし・・・

終わると終わってしまったという喪失感に浸ってしまうのは何故だろう!!(本音の叫び

☆グラフィックについて

OP主題歌やED、果てには次のシナリオに進む画面で終了すると中途EDまで用意されているハイスペック。
まずこの部分だけでも普通のRPG作品とは違い凄い印象を受けます。

イベントごとのこまこまと表示されるCGもうまく演出で表示されていて
強く印象が残るように引き立てる事がかなり評価できます。

驚くのは一般ADV並に多いCG数。
作者様の作画ファンにはたまらなくCG閲覧モードがすごく・・・欲しいです・・・。

作者様の絵は特徴的でギャグ顔なんかはもうお手の物のように応用できます。
B.B.ライダーに適した画風、とボクはいえると思います。

(余談ですが作者様のシェアソフトのZodiarcも支援してます)

☆RPGとしての性能(バトルについて)

これもまた他の作品とは風変わりな戦闘で
技や魔法といった類は一切存在せず、攻撃、防御、「カード」、逃げる 
という独自の戦闘システムが展開されています。

「カード」の内容は、体力回復や、ダメージ無効化、食らったダメージを次のターン倍返し などあり
その上カード枚数では限りがあり、RPGの中では珍しく戦略を練らないと到底やっていけません

さらには敵の行動が表示されており、
次に敵が使ってくる攻撃などを計算して「カード」を使わなきゃいけません
たとえば敵の大技の時に 回復 なんて使うと「あれ?0が見えるよ?」なんてことにもなってしまいます。

イージーやノーマルでは通常攻撃で雑魚は蹴散らせると思いますが
ハードモードにもなるとこちらが軽く蹴散らされてしまいます。

しかし、少々残念な所もちらつきます
まず、戦闘に不可欠なカードを買うためのSPは1戦闘で1しか手にはいりません。
無論ボス戦ではカードは不可欠、たっぷり搭載してないと到底勝てません。

ならSP稼ぎと同時にレベル上げればよくね?

いいえ、そういかないのがこのゲームです。
自分のレベルの適した場所でレベル上げとSP稼ぎをしようとすると
まず「カード」を使ってしまいます。
つまりいくら狩っても「カード」=SPは手に入らずじまいとなってしまいます。

本当にSPを手に入れたいと思うなら2ランクほど強さを落とした場所で狩る事を余儀なくされます。
戦闘飽きしてしまうひとつの要因だと思います

欲を言えば、もう少し幅広い戦闘システムか、
戦闘の概念をはずしADVに切り替えヤリコミの要素が欲しかったですね

☆ギャグとシリアス

前半ギャグ、後半シリアスというRPGの基本を崩すことなく程よく表現されています。
シリアスにも時折ギャグが折り込まれているとシリアスでも笑みがこぼれてしまう策士な出来上がりです。

ギャグが引き立っている一つの要因としてキャラの個性の強さ、キャラの作りのうまさといいましょうか
作者様のセンスにはここでも驚かされます

1200年ぶりの再会の第一声が「おっぱ・・・」という英雄っぷりには笑わされたものです。
町の中を会話して回るとサブイベトなる物が追加されるので是非話して回ってください。

まぁ普通の町の会話が面白すぎるので初見で話して回らない人なんていないと思いますが(結論

●ネタバレ注意!●

しかし、ギャグでカバーしてる・・・といっては何ですが
ストーリーとしてはかなり重い部類に入ります。

ストーリーが進むにつれ記憶障害の霧が晴れていく共に「英雄」の過去が暴かれていきます。
英雄が負っている傷、過去は重すぎるものでおよそ想像したくないほどです。

そして、シリアスだけがシリアスを引き出すと思えば大違いで
ギャグだったころが余計にシリアスの部分で悲しみを引き立たせます。

ギャグで「ホーモ!ホーモ!」言われてたキャラがシリアスで優しく消えていく姿には涙しました。

ギャップというのはほんとにアッパーカット並みに威力が倍増することを痛いほど知りました。

ギャグは笑えて、そのギャグがシリアスの部分で生きてくるのはほんとによくできていると思います。
ギャグをおもいだすと、笑えばいいのか悲しめばいいのか、よく分からなくなってしまいます。

☆主人公、「英雄」は報われない。

基本的に「英雄」は報われません。
最後の最後、主人公にとっての本当の幸せな展開を迎えてくれると思えば

見事に裏切られたぜ☆(吐血(何

1200年間、苦しみを味わった「英雄」が2ヶ月の安息を味わったかと思えば
次は其れまで以上に苦しい、本当に孤独な生活を送ります。

エンディングにて、2ヶ月の期間を経て「英雄」が居なくなった未来の世界で
登場人物たちは幸せに暮らして居ます。時折「英雄」のことを思い出しつつ。
でも、もう「英雄」が居た場所はないかのように、ピースは当てはめられて―
ほんとうにもう居ないという事を思い知らされました。

また、帰った後の「英雄」の生活も描かれています
もしかして、EDが終わるころにはもしかして・・・!
主人公にとっても幸せな展開が・・・!!

裏切られたよど畜生!(吐血

最後には本当に寂しさ、安堵感を浮かべる表情で
Execution されます。(最高にネタバレなので知りたくない人は直訳しないで下さい。

それでもまだ、「英雄」の苦しみは1000年以上続くと思うと、本当に悲しくなってしまいます。
このときでも、ギャグの時あんなにバカやってたのに、あんなに元気だったのに
という、シリアスとギャグの温度差で、本当にやるせなく、切なくなってしまいます。
正直、RPGでこんなに感動したのは初めてかもしれません。
感動する時はもっぱらADVなので、本当に感動しました。

しかし、もう少し欲を言えば

「英雄」ニトス・ジークフリードに幸せが、報いが欲しかった。

●ネタバレ終わり!●

☆作者様の英雄像

この作品には、作者様自体が強く抱く「英雄像」が深く関わっていると思います。
この世界には多くの「英雄」と呼ばれるものがたくさん居て、そのどれもが個々で違う意味を持ってます。

作者様は「英雄と呼ばれた理由」を根強く表現されていると思います。
ある理由は、噂だけなのかもしれない。
ある理由は、人々に期待されてたからかもしれない。

しかし、この世界ではそうではなく
「英雄」はかつて化け物と呼ばれていた。
「英雄」と呼ばれ始めたのは死後、或いは失踪後改めて「強かった」等の認識からそう呼ばれた。
そんな悲しい理由の「英雄像」が描かれています。

しかし、作者様が最終的に描いた「英雄像」は
「本当に来るしい自己犠牲を、強いられるではなく自分から受け入れることができる」
この「英雄像」が本当に輝いていたと思います。

本当にすばらしいと思うし、感動もしました。
しかし、その「像」は、主人公ニトス・ジークフリード自身の本当の幸せを奪うものだったのかもしれません
そう考えると、本当にその「英雄像」は正しかったのか、分からなくなってしまう事になります。

しかし、心苦しいですが其れが今回のシナリオで、感動もさせられました。
本当に感情移入できる作品だったと思います。

 《 ckck 》  ハマリ度:7 グラフィック:10 サウンド:9

憧れたのは、救世の英雄。叶ったのは、ほんの小さな夢。

ハマリ度7/10
序盤からのハイテンションギャグが、終盤のシリアス展開にも適度に盛り込まれている点は素晴らしい。
反面、戦闘は通常・イベント戦共に作業や蛇足の感が強く、そこで物語のテンポが致命的に悪くなっている。
グラフィック10/10
場面に応じて細かくチップを変更し、要所要所で惜しげもなく一枚絵を挿入する力の入れ具合は正に圧巻。
ツクールのデフォルト機能を使用しつつ、これほどに動きで魅せる作品は他に無いだろう。
サウンド9/10
効果音の使い方が秀逸で、グラフィックだけではどうしても表現できない部分を上手くサポートしている。
OPやEDの主題歌に注目が集まりがちだが、BGMの選曲及び切り替えも高く評価したい。

英雄や正義の味方というものは、意外と難しい概念です。
世からそれと認められるためには、対立すべき悪と、人外の力を持った自身と、守りたいものの三つが揃わなければなりませんからね。
悪が出てこなければ活躍しようがありませんし、それを打ち倒せるだけの力が伴わなければ一般の兵卒と大差有りません。
そして何より、大切なものを守りたいという強い動機がなければ、物語の主人公足りえないでしょう。

ではもし、その「最も守りたいもの」こそが「対立すべき悪」、ないしそれを生み出す要因だったとしたら。
彼らは「人外の力」をいかに振るうべきなのでしょうか。

本作の主人公であるニトス君は、遥かな過去から呼び出された「英雄」です。
1200年もの昔、彼しか持ち得ない力で魔を討ち、世界の滅びを防いでいます。

もっとも、事の顛末は彼が望んだものとは程遠く、当人はひたすら磨耗と喪失を繰り返しただけだったのですが。

そんな彼が未来でまたもや同じ過ちを犯しそうになったとき、物語は問いかけを行います。
「守りたいもの」をもう失いたくなければ、「対立すべき悪」をどこに定めるべきなのか、と。

その選択は、ハッピーエンドに到達しえるものではないのかもしれません。
愛する人を置き去りにし、新たな悲劇の引き金になるだけかもしれません。

ただ、物語の結末において、彼が決断を悔いていたか否か、出来れば皆様にも見届けて頂きたいと私は思うのです。

 《 駄々甘 》  ハマリ度:6 グラフィック:6 サウンド:8

英雄とは何か。

 (ファンタジー的な意味で)英雄とは何か、私の考えというのもあるけれど、書き出すとひたすら長くなるので割愛するとして、今回も矢張りシステム偏重の記事を書かせて頂く事にします。

 B.Bライダーのシステム面での特徴としては

*マップチップの配置でクォータービューっぽく見せているものを私はこう呼んでいる。悪意や否定的見解は持っていないので念の為。

 視点やシンボルエンカウントについては今更語る事も無いだろうということで、戦闘についてです。
"後出し"と言うとおり、こちらは事前に相手の行動がわかっています。その為にこちらはそれに対応して行動を決めることが可能で、通常の戦闘よりも有利と言えます。
一対一なので行動がやや決め打ちになるという面もありますが、だからといって戦闘がつまらなくなっている訳ではなく、むしろ楽しみが増していると言えます。

 次にカードシステムですが、要するに"行動"の回数を買う、というような感じです。ほぼ戦闘専用で、後回復が一つですが、カードの種類は物語が進むほど増えていきます。このゲームの楽しみの一つで、収集癖のある私はとても楽しかったです(コレクターとしては、種類数が物足りないですが)。
一部、宝箱からしか手に入らないカードもありますので、使いどころを良く考える必要があります。

 B.Bライダーは演出面も力が入っていますが、ゲーム的な楽しみとしてはこの戦闘関連の部分に集約されています。
しかし、レートの問題で、雑魚戦ではHP足りない時に回復するくらいでひたすら"戦う"になったり、ボス戦も、雑魚で稼いでおかねばカードと体力が足りない、という事態になりかねないけれど、稼いでしまうと、回復のタイミングを図るだけになってしまう、といったバランス面での失敗も目に付きます。

個人的には余計な装飾の無い表示は好みなのですが、この(*ネタバレ注意)無機質な表示を見ると、最低限の装飾はやっぱり欲しいなあ…などと思ったりもします。


ハマリ度:6/10
システム面では失敗部分が響いてます。
私はレビューでは触れませんが、ストーリーも楽しみました。
グラフィック:6/10
フリーゲームのグラフィックにあんまり贅沢な要求かもしれませんが…筋肉のバランスがといいますか、デッサン足りないといいますか。
しかし、私にはどうもCG数が多くなると反って配点が低くなる傾向があるような。
サウンド:8/10
シーンにはマッチしてるけれど好みとは少し違う…ということで。

 《 赤松弥太郎 》  ハマリ度:7 グラフィック:8 サウンド:8

痛みと怒り そして誓い 相応しいのは誰

◆(久々の)ツンデレな紹介

 どうしたんだ、浮かない顔して。
 そんな不景気な顔されたら、誰だって心配になるよ。ボクだって冷血女じゃない。悩みがあるなら、その、言ってみなよ。
 ……ゲームで悩んでるなんて、珍しいな。タイトルは ? ……え ? B.B.ライダー !?
 あ、あんなゲームやってるのか ! 裸の男女あんなことこんなことする(※実話です)やらしいゲームじゃないか ! そんなゲームのこと、ぼ、ボクに聞くなんて !

 ……そこまで進んでない ? ……ずいぶん序盤じゃないか。
 そんな最初の方で詰まることなんて無いと思うけど。ダンジョン一つ一つクリアしていけば、自然とレベルは上がるし。戦闘が苦手な人にはEasyモードも用意してあるんだから、試してみるといいんじゃないか ?

 違う……って ? ストーリーがわからなくなった ?
 なるほどな。確かに、序盤の話はごちゃごちゃしてるかもしれない。本筋が全然進まないのに、終盤への伏線が多くて、登場人物もどんどん増えるからね。どれが本筋でどれが伏線でどれがギャグシーンか、わからなくなるかもしれない。
 ヤムチャと戦ってる最中に、「一方その頃」でベジータが出てくるようなものだから……あんまり気にしないで先に進めた方がいいと思うけど……
 ……しょうがないな。序盤の重要人物を、ちょっとだけまとめてみるぞ。
 お礼なんか言わなくても……勘違いするなよ。キミのためとか、そう言うんじゃないんだからなっ。

ニトス  まず、主人公・ニトス……まあ、見ての通り、変態だな。
 最初こそ猫被ってて、「全裸だけどいい人です」みたいな顔してるけど、話が進むほど、どんな服着ててもただの変態ってことがわかってくる。
 無くなってる記憶が、終盤に向けての鍵になるね。こんなヤツの忘れたい記憶なんて、どうせスケベな記憶に決まってるんだけど。記憶が戻ってから、いよいよ後半ってことだね。
ロウリィ  次はヒロインのロウリィ=ゴースだね。
 「脇役みたいな適当な名前」 ? 言うなよ。反論できないけど。
 「威張ってるばっかりで好きじゃない」……か。序盤だけ見てると、そう思うかもな。
 でも、この子にはこの子なりの理由があって戦ってるんだ。ニトスみたいな変態を召喚しちゃったから調子が狂っちゃっただけで。
 ボクが今言えるのはここまでかな。終盤になれば、この子の抱えてるものがだんだんわかってくると思うよ。
シルバ  で、こいつがシルバ。
 今回の大ボスだ……早い段階でわかることだし、ネタバレの心配はないだろ。
 一応、こいつを倒すことが目的だからな。忘れてた ?……やっぱりな。
 こいつが表舞台に出てくる頃から、いよいよ中盤の山場ってところだ。それまでは覚えておいてくれよ。
オラクル  あとの、あからさまに怪しいキャラは、本筋に出てきたときに思い出せばいいと思うし……
 そうだな、脇役の中ではオラクルに注目しておくといいかな。
 女の子だって、ヒーローには憧れるさ。そういうことに男も女も関係ない。
 でも、実際にそれを目指すっていうのは、すごいことだと思わないか ?
 そりゃ、最初は確かに弱いし、足手まといだよ。勇気と言うより、無謀と言った方がいいかもしれないけど。
 この子の成長が、中盤から話を盛り上げてくるんだ。
 一つ言えるのは、こんなかわいい女の子に嫌がらせしたり、セクハラしたりするニトスは、本ッ当に最低な男だってことだな。

 とりあえず、これくらい抑えておけば、序盤は大丈夫だと思う。
 中盤以降は、話の筋もだいぶスッキリするし、端役は端役だってはっきりわかってくるから、こんなに混乱することもないはずだよ。

 だから……あ、ちょっと待って !

 ……行っちゃった。

◆ツンデレな批評

 そうか、クリアしたのか。良かった……いや、その、良かったな。
 で、どうだった ?
 ……面白かったって割には、難しい顔してるじゃないか。
 スッキリしない ? ……うん……うん……

 …………

 うん……まあ、言いたいことは、わからなくはないかな。
 この作品の戦闘は、ほとんどイベント扱いって言うか、ストーリーの飾りなんだよね。
 ボス戦がイベントでブツブツ途切れたり、経験値が入らなかったりするから、爽快感が無い……か。
 鍛えるには、本筋とはまるで関係がないダンジョンに潜らなきゃいけないし、戦闘回数がものを言うシステムになってるからね……

 でも、戦闘が作業になってるとまでは、言えないんじゃないかな。ボクは終盤、強敵との戦いは結構スリルがあったし、楽しかったんだけど。
 ……それにしても、レベル上げのために、一刻を争ってるはずのラストダンジョンを延々と往復するのは馬鹿げてる、か。
 ボクは、あれは作者からの、「レベル上げなんかしないで勝ってほしい」ってメッセージだと思ったんだけど……考え過ぎかな。

 それに、「おまけイベントが本筋と関係なさ過ぎて無意味」って意見は、賛成できないな。
 おまけイベントなんだから、見返りなんか無くてもいいんじゃないか ? それ自体が見返りなんだよ。
 隠しイベント探すってことは、いろんなキャラと話さなきゃいけないわけだし、キャラに愛着を持ってもらうことには、成功してるんじゃないかな。
 キャラに愛着があるからこそ、エンディングの感動もあるんだと思うよ。

 キミは、RPGじゃなくてADVの方が良かったって言うけど……どうなんだろ。
 RPGには、「なりきり」の楽しさがあるからね。感情移入の仕方が違うと思うんだ。
 やっぱりこのお話しは、自分で感じることが大切な話だから。RPGってやり方が間違ってたとは、ボクは思わないな。

 良くできる点は沢山あると思うけど、この荒削りのままの良さっていうのも、あるんじゃないかな。

 ……おい。それ、何だ ?
 録音した !? ちょっと待て、そんなこと聞いて……って、投稿する ? これを !?
 や、やめろ ! 約束が違うぞ ! こら、待てってば……

ハマリ度 : 7 / 10
 ゲームとして見ると気になる点が多く、詰め込んだ要素が不協和音を出していると思うことも度々ある。
 それでも本作が魅力的なのはすべて、ストーリーの強烈なパワーのために他ならない。
 作者が熱血王道を熟知し、それを心から愛していたからこそ、本作のストーリーに数々の短所を吹き飛ばすだけの牽引力が生まれたのだろうと思う。
 だからこそ、そのストーリーを表現する方法をもう少し詰めていれば、と惜しまれてならない。
グラフィック : 8 / 10
 イベント絵、顔グラ等、数は非常に豊富。線の太い独特な絵柄だが、それも含めて本作の味になっている。しかも映像演出が凝っており、見応えがある。
 ただ、その演出の結果、かえって見にくい、わかりにくいシーンが散見された。夜の戦闘シーンでほとんど何も見えなくなってしまったり、明滅を繰り返す背景なのに文字色が白黒で読みにくかったりする。少しの工夫でより見やすくなったはず。
サウンド : 8 / 10
 特に終盤、戦闘曲のたたみかけは白眉。戦闘場面の連続を単調にせず、緩急を付けて、感情豊かに歌い上げている。
 よく聞く曲が多く、日常場面は聞き飽きもあるが、戦闘曲に関しては素材の再評価につながったかとさえ思う。

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