■ ダンジョンボンバー
作者 [ 作っちゃうおじさん さま ] ジャンル [ ダンジョン爆破ローグライトパズルゲーム ] 容量・圧縮形式 [ ダウンロード不要・ブラウザゲーム ] 言語 [ 日本語 ] 配布元
- (補足)
- 2022.12.11:現時点でのバージョンは、ver.1.1.1です。
レビュワー ハマリ度 グラフィック サウンド 合計 総合判定 ES 8 /10 8 /10 8 /10 47/60 赤松弥太郎 8 /10 8 /10 7 /10
溜めて溜めてぶっ放せ!! ただし当たるかは運次第。
今回のイチオシ作品「ダンジョンボンバー」は、公式に「ローグライト」と称する、乱数要素の高い成長システムを持つパズルゲームです。
「ローグライト」の解釈は多々ありますが、主に以下2つのジャンルが有名でしょうか。
(1) その名をタイトルに冠した「Roguelight」と同様、「『ローグライク』の如くランダム構成のステージだが、持ち込み強化が入っている」
(2) 先日取り上げた「脳筋魔法使いは進学したい」や、かの有名作「Vampire Survivors」と同様、「レベルアップなどでの成長項目がランダム」
本作「ダンジョンボンバー」のいう「ローグライト」は、(2)に当たるジャンルです。ダンジョンの壁を破壊するごとに溜まるコイン(経験値)が100溜まるごとに、3つの成長項目から1つを選択してレベルアップし、徐々に強くなっていくシステムです。
この「ローグライトなスキル強化」の欠点は、プレイが長引くほどスキルが充実していくため、「序盤ほどつらい」点です。
「脳筋魔法使いは進学したい」では、最初は敵の強さを抑えめにしておき、「敵が弱い間にどう成長したかで中盤から終盤の難易度が決まる」という構成にしていました。
「Vampire Survivors」はそもそも持ち込み強化付き。攻撃範囲が狭く位置調整が必要な最初のキャラから、攻撃を当てやすいキャラ、攻撃範囲の広いキャラと、リトライごとに徐々に強くなっていく仕組みが取られています。
そこを行くと、「ダンジョンボンバー」ほど「序盤がつらい」ローグライトはかなり珍しいものです。
本作の「序盤のつらさ」の最もたるものは、「レベルアップで強化する項目が主に攻撃範囲」という点です。
- COMBO UP: 連鎖時に落ちる爆弾を増やして「落ちコン」をやりやすくする
- MORE BOMBS: 連鎖終了後の爆弾数を確保する「最低保証」
- LEVEL UP: 爆弾1個当たりの威力を増やし、特定レベルまで上げればより攻撃範囲の広い爆弾に「進化」できる
特に強力なのが、ゲームページ内でも推奨されている「爆弾の進化」。1個当たりの攻撃範囲が広がれば、当然連鎖もしやすくなります。
また、初期の爆弾のレベルを4に上げると「その爆弾を出さない」強化も掛けられます。「せっかく作った爆弾が全く敵に当たらない」という本作一番の死因を発生しにくくなる強化です。
そう、本作の序盤における最大の死因は、「せっかく作った爆弾が全く敵に当たらない」ことです。連鎖が切れても敵が残っているとどうなるか。「敵が下に落ちる→最下段に落とすとダメージ確定」となるのです。「攻撃が最大のリスク」というとんでもない構成になっているのです。
「敵が爆風に引っかかるよう盤面を整える」のが本作の攻略の第一歩となります。しかし、それを邪魔するのがランダム要素。「敵が引っ掛かるような爆弾が出てこない」という可能性は常に付きまといます。
その上、「敵は進むごとに下方の爆弾・アイテムを消去する」仕様があります。当てやすい下方に作ると次のターンには喰われ、喰われにくい遠くに作ると爆風が逸れやすくなると、常にままならなさが伴います。
同時にままならないのは、「爆弾を連鎖させる」という本作のシステム上、「連鎖が切れたとき、盤面に爆弾はほとんど残っていない」点です。それを埋め合わせるための「MORE BOMBS」…公式でも推奨されている強化ですが、問題はこの強化「連鎖終了後にLV数だけ爆弾を増やしてくれる」強化ではなく「連鎖終了時の爆弾がLV数より少なければ補充してくれる=LV数より盤面の爆弾が多ければ効果なし」という仕様なのです。LV5辺りになれば役立つ強化ですが、序盤では役立たずもいいところ!
序盤はとにかく進化しやすい爆弾のLEVEL UPに努めた方がいいでしょう。本作の難しさは、とにかく「盤石の作戦が存在しない」ことにあります。作った爆弾が全て敵から外れる、いくらレベルアップしても進化条件に辿り着かない、敵が増えすぎて爆弾1つ作っただけでは倒しきれない、リスクだけはたんまり存在します。
これらの対処方法も、そしてこれらの原因も、ほぼ全てが「運」となります。そして、「運」は大抵敵に回ります。序盤で死んでもめげないように。悪いのは「運」だけなのですから。
《 赤松弥太郎 》 ハマリ度:8 グラフィック:8 サウンド:7
待っていたんだ ぼくたちは
爆発だー!!
まさかあなたは、敵をちまちま一匹ずつ、直接攻撃で焼こうとしてないでしょうね?
爆発を連鎖すればするほど火力が上がり、スコアが上がり、レベルが上がり、アップグレードできる本作で、連鎖をしないのはあまりに愚作。
敵が最下段に到達する、ギリギリのタイミングまで、爆弾を溜めて……
溜めて……
溜めて……
開放ぉーーー!!
ダンジョン全体を火の海にして敵を殲滅、スコアをがっぽがっぽ稼いでスッキリするのが基本にして原点です。
これが決まったときの爽快感は、本当にすごい。病みつきになります。
しかし、それがいつも決められるか、というと、そんなことは無いわけで。
たとえば、こんな盤面だったとして、どこを起爆すれば最大連鎖になるか、わかりますか?
正解は、「わかりません」。
なぜなら、落ちてくる爆弾のツモが一切わからないからです。
今ある盤面で最大の連鎖を考えたところで、ツモが良ければ10連鎖を超えてきますし、悪ければ数連鎖で止まってしまうことだってあります。
「起爆した爆弾は落下しない」「それ以外は全て落下する」というルールは一見わかりやすいですが、敵を倒せるかどうか、爆弾のツモ次第で変わってくるので、予測はとても困難です。
敵を最下段に辿り着かせないように、と考えたところで、ツモ次第で変わってきちゃいますから、あまり考えずに爆破するしかないじゃない!!
「それじゃああまりにも運任せ」というご指摘は、ごもっとも。
実は本作で、最もプレイヤーが介入する余地が大きいのは、レベルアップボーナスなんです。
スコア100毎に1回、あるいはダンジョンを1つクリアする毎に1回、3つのアップグレードの中から1つ選べます。
ただしこのアップグレード、取る時期によって有効性が変わるものとか、明らかに地雷オプションとかもあるんですよねー……。
まずは地雷オプション2つをドーン!
直接攻撃力増強は、まあ言うまでも無いですね。
序盤こそ、どうしても取り逃がしてしまう敵を焼くことはありますけど、中盤以降でそういう場面に出くわしたらほとんど詰んでます。
ちまちま焼いたところで、次々押し寄せてくる敵には対応できません。
これにゴールドを回すくらいなら、優先する使い途はいくらでもありますからね。
問題は、公式ではオススメされてる、爆弾最低数保証です。
ボクがプレイした限り、これ地雷オプションなんだよなー。
連鎖し続けた結果、爆弾が全くない状態になることは、まああります。そこからのリカバリーが早くなるのが、このオプションの意味なんですが。
でもそういう状況って、敵も一掃されてるのが普通なんですね。なので、そこまで急いでリカバリーする必要があるか、かなり疑問です。
Lv1とか2とかじゃ全然ありがたみがなくて、大量のゴールドを必要とするのも、嫌われる要因です。
クリアしたいなら、まずは新型爆弾で攻撃範囲の拡大を目指すのが最優先です。
うま味が大きいのは、やはり八方爆弾。開放には手間が掛かりますが、これを開放できればクリアが見えるという、抜群の安定感を誇ります。
まずは縦爆弾、横爆弾のレベル上げを最優先で取り組み、十字爆弾の開放を目指しましょう。
そうでなくとも縦爆弾は、敵を仕留めそこねると、一気に最下段まで攻め込まれてしまうので、いち早くレベル上げする必要があります。
そしてHPの増強。
HPの回復機会は限られます。ダンジョンクリアかアイテムで全快しますが、アイテムは半分くらい爆風に巻き込まれる運命です。
HP増強を取れば、5だけ回復するので、そこで首の皮一枚繋がるような状況も、序盤だと結構あります。
また、HP消費で爆弾を3個増やすコマンドのオプションが開放されるのも大きいです。
使えば使うほどHPの消費が上がっていくので乱用はできませんが、どうしても取り逃がしてしまう敵がいたら、一か八かで試してみる余地ができます。
2マス範囲爆弾も強力ではあるんですが、それの開放に必要な桂馬爆弾が、かなり使いづらいのが問題です。
せめて十字爆弾を開放して、十分強化した後で桂馬爆弾を取りましょう。あまり序盤で取ると、一気に不安定になります。
それらの次くらいにボクがオススメしたいのは、この爆弾出現率アップです。
連鎖が長く続くと、徐々に爆弾の出現率が下がってくるんですが(そのせいで上述のスッカラカンな状態が起きる)、このオプションで下支えすることができます。
とにかく本作において、連鎖は力なんです。
連鎖するほど、火力は上がり、攻撃範囲は広がり、敵を逃す確率が減る。
そして連鎖するほど、スコアが増え、アップグレードの機会が増え、さらに安定感が増す。
HPがある程度増えてきたら、HP増強よりもこちらを優先して、連鎖を長く続ける方針に切り替えた方がいいくらいです。
爆弾をLv4まで上げると、爆弾抹消オプションが出てきますが、これもマイナスオプションではありません。
例えばさっき例に挙げた、桂馬爆弾とか縦爆弾は、かなり扱いづらい爆弾です。
そこで爆弾を抹消しちゃえば、使いづらい爆弾は出なくなり、かつ使いやすい爆弾の出現率が上がるので、一挙両得です。
問題は、抹消するためにわざわざ桂馬爆弾をLv4に上げる余裕があるのか、というところですね……。
以上、ボクなりのクリア用戦略ですが、これをいつも計画通りに実行できるかというと、全然。
たったの3枠しか選択肢は出てこないんです。運が悪けりゃどこまでも外れます。
特に序盤が危険で、ダメなときはステージ1とか2であっさりゲームオーバーになります。
逆に八方爆弾を開放した後は、ゲーム的には消化試合になるんですが、その分爽快で気持ちいいので許せる、というのが本作のバランスです。
いい所まで進めるようになると、ついつい繰り返しプレイしたくなっちゃう、そういう魅力があります。
ただし、ここまでの話は全て、まずはクリアしたい人向けの話です。
スコアアタックになると、話がまた変わってきます。
スコア的には、連鎖は一気に発火するより、少しずつ、じわじわと続いた方が点数が伸びます。
なので、八方爆弾とかの上位爆弾は、むしろコンボ数を縮めてしまう邪魔物になる可能性があります。
上位爆弾を使わないと、取り逃がす敵も出てくるし、安定感は下がってしまう。それを試行回数でカバーするようなプレイに、なるんじゃないかと。
ボクはスコアアタックは素人なんですが、これはちょっと闇が深そうな気がしますね。
- ハマリ度 : 8 / 10
- 全体として大きく運に左右されるバランス。その分、戦略がハマったときの爽快感は極めて強く、射幸心を煽る。
序盤のステージであえなく爆死することもあるが、火力と両立できる程度の安全マージンを取れば、それなりのクリア率にはなる。しかしひとたびハイスコアを目指そうとすれば、ハイリスクハイリターンな育成方針で、うまくいくまでひたすらリプレイし続けるようなスタイルに偏ってしまう。連鎖はほとんどプレイヤーが制御できず、それによってスコアがほぼ決まってしまうのは、あまりにも運任せと言える。
敵の存在は本作を他作品と差別化する最大の要素。倒さなければならないというプレッシャーとしては機能しているが、倒しても報酬はブロックと同じで、「ゲームオーバー装置」として以上の存在感がない。倒したときのボーナスはもっと派手にして、積極的に倒したいと思えるとなおいい。
100以上のゴールドが溜まっている状態でステージをクリアすると、ステージクリアボーナスが優先され、スコアボーナスが先送りになってしまう仕様は、プレイヤーとしてはあまり納得できないところ。- グラフィック : 8 / 10
- 8bit風素材をメインに据えた、シンプルかつわかりやすい画面構成。エフェクトも何が起きているかわかりやすく、本作には適切なチョイス。
敵は種類+色替えでレベルを表現する形。敵の種類毎に下にあるブロックを消す範囲が違うのだが、それをいちいち覚える必要がある。もっと視覚的なサポートがあるとなお良かった。- サウンド : 7 / 10
- サーバへの負荷等課題があるのはわかるが、それにしたって音質が低すぎる。そして民族系の音楽は低音質化に向かない。いっそ無音でも大差ない程度。
効果音も音質が低く、スカスカした印象ではあるが、機能としては十分。計算された娯楽より、制御できない面白さを楽しみたいときだってあるでしょう?
みーんなまとめてばくはしましょう!